img01

 

img02  2006年4月1日以降、定期の予防接種としては麻疹・風疹混合生ワクチン (measles-rubella:MRワクチン)の接種が開始となり、 同年6月2日から下記の年齢での2回接種となりました。

 第1期、第2期を過ぎてしまうと定期の予防接種として受けられなくなってしまいます。 小学校の入学前に接種がすんでいるかどうかを確認しましょう。


 第2期でまだ麻疹と風疹の予防接種をそれぞれ2回ずつ受けていないお子さまは、 かかりつけ医とよく相談し、2025年3月31日までに受けましょう。

ポスターのダウンロード(PDF 955KB)

img03接種医療機関に関しては、お住まいの市町村(特別区)にお尋ねください。

 

(CSIER更新 2024/4/11 )

国内における劇症型溶血性レンサ球菌感染症の増加について

2024年3月29日

国立感染症研究所
細菌第一部
実地疫学研究センター
感染症疫学センター
感染症危機管理研究センター

PDF

English

 

背景

劇症型溶血性レンサ球菌感染症(streptococcal toxic shock syndrome: STSS)は、急激かつ劇的な病状の進行を特徴とする致命率の高い感染症である。STSSは、感染症法に基づく感染症発生動向調査において、5類全数把握疾患と定められている。届出に必要な要件は、ショック症状に加えて肝不全、腎不全、急性呼吸窮迫症候群、播種性血管内凝固症候群、軟部組織炎、全身性紅斑性発疹、中枢神経症状のうち2つ以上をともない、かつ通常無菌的な部位(血液など)等からβ溶血を示すレンサ球菌が検出されることであり、要件を満たすと診断された場合、届出対象となる。STSSの病原菌は、A群溶血性レンサ球菌(GAS:group A Streptococcus, Streptococcus pyogenes)の他、B群、C群、G群の溶血性レンサ球菌などがある。
GASによるSTSSの臨床症状、関連するサーベイランスについては2024年1月の病原微生物検出情報(IASR)速報記事を参照のことi

今般、日本において、GASによるSTSS症例およびGAS咽頭炎症例が増加しつつある。また、2010年代に英国で流行した病原性および伝播性が高いとされるS. pyogenes M1UK lineage(UK系統株)の集積が、2023年夏以降に日本国内でも確認されている。
2023年12月までの状況について2024年1月のIASR速報記事で報告したが、今回その後の国内の状況を更新するとともに、改めて国内の状況についてリスク評価を行った。

 

 

 

IASR-logo

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症 1999年4月~2022年12月

(IASR Vol. 45 p33-34: 2024年3月号) (2024年3月27日黄色部分加筆、横線部分削除)
 

黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)は, ヒトや動物の皮膚, 粘膜等の体表面に常在するグラム陽性球菌である。健常人の20-30%が保菌者であるといわれている。本菌は化膿症や膿痂疹などの皮膚軟部組織感染症(SSTI), さらには菌血症や毒素性ショック症候群(TSS)など様々な感染症を引き起こすが, メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin-resistant Staphylococcus aureus: MRSA)感染症で多いのは肺炎, 菌血症や手術関連感染症である。黄色ブドウ球菌の多様な病原性の理由の1つは, 多種多様な毒素や病原性関連因子を産生することである(本号3ページ)。

 

IASR-logo

東京都の高齢者福祉施設における疥癬集団発生事例

(IASR Vol. 45 p44-45: 2024年3月号)
 

疥癬は, ヒト皮膚角質層に寄生したヒゼンダニが, ヒトからヒトへ感染することで広がる疾患である1,2)。疥癬は診断や治療が確立されているものの, 現在でも高齢者施設等での集団発生事例が散発しており, 対応に苦慮する事例も多い。今回, 都内の保健所が管内高齢者福祉施設で長期に及ぶ疥癬集団発生事例を経験したので, その疫学調査について報告する。

 

IASR-logo

北海道で初めて確認された水系感染疑いのレプトスピラ症の1例

(IASR Vol. 45 p46-47: 2024年3月号)
 
はじめに

レプトスピラ症(leptospirosis)は, レプトスピラ属細菌(Leptospira spp.)によって引き起こされる人獣共通の細菌感染症である1)。レプトスピラはげっ歯類を中心とした動物の腎尿細管に定着しており, 尿とともに排出される。ヒトは保菌動物の尿により汚染された水や土壌から経皮的あるいは経粘膜的に感染する2)

 

IASR-logo

福岡県におけるヒトアストロウイルスの包括的検出と流行状況の把握(2018~2022年)

(IASR Vol. 45 p47-49: 2024年3月号)
 
はじめに

ヒトアストロウイルス(human astrovirus: HAstV)は, 主に乳幼児において感染性胃腸炎を引き起こす公衆衛生上重要なウイルスであり, 遺伝子型により, classic HAstVはHAstV 1~8の8種類, MLB HAstVはMLB 1~3の3種類, およびVA HAstVはVA 1~5の5種類に分類される1)。我々はこれまでに, 2015~2016年にかけて福岡県の終末処理場の流入水中からclassic HAstV, MLB HAstV, VA HAstVを検出したことから, 福岡県においてこれらのヒトアストロウイルスが流行していると推察している2)。一方, 当所において臨床検体を対象として実施するヒトアストロウイルス検出方法では, classic HAstVのみを検出するMon269/270プライマー3)を用いており, MLB HAstVとVA HAstVは検出できない。そこで今回, SF0073/SF0076プライマー4)を臨床検体に適用し, 流行状況の把握を試みたので報告する。

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan