国立感染症研究所

 

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北海道で初めて確認された水系感染疑いのレプトスピラ症の1例

(IASR Vol. 45 p46-47: 2024年3月号)
 
はじめに

レプトスピラ症(leptospirosis)は, レプトスピラ属細菌(Leptospira spp.)によって引き起こされる人獣共通の細菌感染症である1)。レプトスピラはげっ歯類を中心とした動物の腎尿細管に定着しており, 尿とともに排出される。ヒトは保菌動物の尿により汚染された水や土壌から経皮的あるいは経粘膜的に感染する2)

 

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福岡県におけるヒトアストロウイルスの包括的検出と流行状況の把握(2018~2022年)

(IASR Vol. 45 p47-49: 2024年3月号)
 
はじめに

ヒトアストロウイルス(human astrovirus: HAstV)は, 主に乳幼児において感染性胃腸炎を引き起こす公衆衛生上重要なウイルスであり, 遺伝子型により, classic HAstVはHAstV 1~8の8種類, MLB HAstVはMLB 1~3の3種類, およびVA HAstVはVA 1~5の5種類に分類される1)。我々はこれまでに, 2015~2016年にかけて福岡県の終末処理場の流入水中からclassic HAstV, MLB HAstV, VA HAstVを検出したことから, 福岡県においてこれらのヒトアストロウイルスが流行していると推察している2)。一方, 当所において臨床検体を対象として実施するヒトアストロウイルス検出方法では, classic HAstVのみを検出するMon269/270プライマー3)を用いており, MLB HAstVとVA HAstVは検出できない。そこで今回, SF0073/SF0076プライマー4)を臨床検体に適用し, 流行状況の把握を試みたので報告する。

 

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メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症 1999年4月~2022年12月

(IASR Vol. 45 p33-34: 2024年3月号) (2024年3月27日黄色部分加筆、横線部分削除)
 

黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)は, ヒトや動物の皮膚, 粘膜等の体表面に常在するグラム陽性球菌である。健常人の20-30%が保菌者であるといわれている。本菌は化膿症や膿痂疹などの皮膚軟部組織感染症(SSTI), さらには菌血症や毒素性ショック症候群(TSS)など様々な感染症を引き起こすが, メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin-resistant Staphylococcus aureus: MRSA)感染症で多いのは肺炎, 菌血症や手術関連感染症である。黄色ブドウ球菌の多様な病原性の理由の1つは, 多種多様な毒素や病原性関連因子を産生することである(本号3ページ)。

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感染症発生動向調査(IDWR)

  • IDWR最新号(PDF)

  • 速報グラフ(PDF)  2024年第11週の速報グラフを掲載しました

    2023年までの情報はこちらをご覧ください

病原微生物検出情報(IASR)

施設別発生状況調査

 

 

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疫学情報

感染症発生動向調査(IDWR)

病原微生物検出情報(IASR)

 

 

日本の輸入デング熱症例の動向について
Notification Trends Among Imported Dengue Cases in Japan

 更新日:2024年3月21日

■目的

感染症発生動向調査により収集されている日本のデング熱の輸入例のデータを、渡航者のリスク評価のために、適時に還元することが目的です。

渡航国別の輸入デング報告数は、渡航先のデング熱の流行の程度や、渡航者数により影響を受けます。よって、渡航者数の変動の影響を除くために、渡航国別の日本人渡航者数を分母データとし、日本人渡航者10万あたりのデング熱報告例も合わせて示しました。これは、半年に1回程度更新する予定です。

この解析においては、個人の感染リスク行動、渡航国内における流行の地域差は考慮しておらず、また複数国に渡航した症例は含めていません。

なお、厚生労働省検疫所FORTH(http://www.forth.go.jp/)や、WHO西太平洋地域事務局のウエブサイト(https://www.who.int/westernpacific/emergencies/surveillance/dengue)において、デング熱の流行状況が取りまとめられているのでそちらも合わせて参照してください。

 

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan

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