ウエルシュ菌感染症とは

(IDWR 2006年第33号掲載) ウエルシュ菌(Clostridium perfringens )は、ヒトや動物の大腸内常在菌であり、下水、河川、海、耕地などの土壌に広く分布する。ヒトの感染症としては食中毒の他に、ガス壊疽、化膿性感染症、敗血症等が知られているが、本稿では最も多発するウエルシュ菌食中毒を中心に...

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カナマイシン含有培地使用では検出不可能なウェルシュ菌による集団下痢症事例―東京都

(IASR Vol. 38 p.130-131: 2017年6月号)

日本におけるウェルシュ菌の食中毒検査においては, 卵黄加カナマイシン(KM: 200mg/L)含有CW寒天(KM-CW寒天)が汎用されている。KMに対するMIC値が200mg/L未満であるため, 本培地に発育し難いウェルシュ菌による食中毒事例が, 東京都では2006年1), 2010年に1事例ずつ, 2014年には京都市での発生が確認された2)。2014年以降, 東京都でKM-CW寒天使用では検出できないウェルシュ菌による集団下痢症が6事例認められており, 本菌による集団下痢症事例と分離菌株の性状について報告する。

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