黄熱とは

(IDWR 2002年第23号掲載)  黄熱はサル、ヒトおよび蚊を宿主とし、蚊によって媒介される疾患である。ヒトが感染すると致命率は高いが、回復すると終生免疫を残す。現在でもアフリカ、南米などで地域的流行が発生しており、旅行者が罹患することもある。

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黄熱のリスクアセスメント

2016年5月19日
国立感染症研究所

背景

黄熱は、黄熱ウイルス(フラビウイルス科フラビウイルス属)による感染症であり、感染症法上は、4類感染症に分類される。宿主はヒトとヒト以外の霊長類(サル)である。媒介動物でありまた保有宿主でもある蚊に刺されることにより感染する。媒介蚊は、主にアフリカではAedes属、南アメリカではHaemagogus属である。蚊の生息域に従い、アフリカでは北緯15度から南緯15度の熱帯地方、南アメリカでは北はパナマから南緯15度の熱帯地方で、流行が見られる(1)。同地域において、9億人が感染リスクにさらされていると推測されている。WHOの試算では、年間84,000~170,000人の患者が発生し、最大で死者が60,000人に及ぶとされている(2)。黄熱の正確な患者数は不明であるが、2013年にアフリカで13万人の患者が発生し、78,000人が死亡したとする試算もある(3)。

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