無菌性髄膜炎とは

(2014年05月16日改訂) いわゆる無菌性髄膜炎は、発熱、頭痛、嘔吐のいわゆる3主徴をみとめ、後部硬直、Kernig徴候などの髄膜刺激徴候が存在すること、髄液一般検査で定型的な所見を得ること、髄液の塗抹、細菌培養で細菌を検出しないことにより診断がなされる症候群である。通常の塗抹染色標本および一般細菌培養にて病原体がみつからないものがこの範疇にはいるため、多種多様の起因病原体があり、確定診断は病原体診断により起因病原体を明らかにすることによってのみなされる。また、特に成人の場合は膠原病、悪性疾患などの様々な非感染性疾患でも無菌性髄膜炎を起こすことがある。一般的な臨床の現場においては、無菌性髄膜炎はウイルス性髄膜炎を念頭において語られることが多く、これは多くの場合、良好な経過をとる。これはその頻度から言えば正しいと言える反面、ウイルス以外でも多くの病原体がこの病態を起こしうること、そして場合によっては重症となり不幸な転帰をとりうることを認識して、臨床症状、炎症反応、髄液所見などを正確に把握して治療に当たることが望まれる。

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疫学情報

感染症発生動向調査(IDWR)

病原微生物検出情報(IASR)

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