国立感染症研究所

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細菌性赤痢 2010~2021年

(IASR Vol. 43 p25-26: 2022年2月号)

 

 細菌性赤痢は赤痢菌によって起こり, 主な症状は発熱, 水様性下痢, 腹痛, 膿粘血便, しぶり腹(テネスムス)である。2016年現在, 世界で年間2億7千万人が感染し, 栄養状態の悪い小児を中心に21万人が死亡していると推定されている(GBD 2016 Diarrhoeal Disease Collaborators, 2018)。赤痢菌属はShigella dysenteriae, S. flexneri, S. boydii, S. sonneiの4菌種に分類される。特にS. dysenteriaeの血清型1(Sd1)は腸管出血性大腸菌にも保有される志賀毒素Stx1を産生し, 病原性が高い。赤痢菌は実験的には数十~数百といった少ない菌量で感染することが報告されている(Morris, 1986)。

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan

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