国立感染症研究所

 

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A群溶血性レンサ球菌による劇症型溶血性レンサ球菌感染症の50歳未満を中心とした報告数の増加について(2023年12月17日現在)

(速報掲載日 2024/1/15) (IASR Vol. 45 p29-31: 2024年2月号)
(2024年1月24日黄色部分修正)
背景・目的

劇症型溶血性レンサ球菌感染症(streptococcal toxic shock syndrome: STSS)は、急激かつ劇的な病状の進行を特徴とする致命率の高い感染症である。STSSは、感染症法に基づく感染症発生動向調査において、5類全数把握疾患と定められている。届出に必要な要件は、ショック症状に加えて肝不全、腎不全、急性呼吸窮迫症候群、播種性血管内凝固症候群、軟部組織炎、全身性紅斑性発疹、中枢神経症状のうち2つ以上をともない、かつ通常無菌的な部位(血液など)等からβ溶血を示すレンサ球菌が検出されることであり、要件を満たすと診断された場合、届出対象となる。STSSの病原菌は、A群溶血性レンサ球菌(group A Streptococcus: GAS, Streptococcus pyogenes)の他、B群、C群、G群の溶血性レンサ球菌などがある。本稿では、感染症発生動向調査上、STSSとして届出された症例のうちGASによる症例(以下、GASによるSTSS症例)について述べる。

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