国立感染症研究所

関西国際空港の利用日および/またはウイルス遺伝子型が共通する麻しん報告例注1


 (感染症発生動向調査より。2016 年 11 月 02 日現在

2016 年 33 週~34週(診断週)に、H1 の麻しんウイルス遺伝子型が検出された以下の症例は、遺伝子配列も一致している可能性が高いという結果が得られました。いずれも自治体による積極的疫学調査により、以下のとおり、 関西国際空港の利用日が共通していたことが明らかとなり、これらの事実から、少なくとも、これらの症例は、当該日に 関西国際空港で麻しんウイルスに感染した可能性が高いことが示唆されました。

また、2016年8月に発症し、同月下旬にペア血清による麻しん特異的IgMの陽転化よって確定された麻しん(患者A)の届出がありました。自治体による疫学調査によれば、患者Aは発症前に、麻しん様症状を呈していた患者Bとの接触歴がありました。患者Bは、滞在先である中国から日本へ入国し、7月下旬に発熱、発疹を呈しました。医療機関を受診したところ、かぜまたは薬疹と診断され、7月31日には関西国際空港を利用して中国へ渡航しました。患者Aは患者Bの日本滞在中、常に行動を共にしていたこと、患者Bに関して、後に麻しん特異的IgM抗体価の上昇が確認できたことから、患者Aの感染源であった可能性が考えられました。さらに患者Bは中国から日本に渡航していたこと、麻しんとして矛盾しない症状を呈していた時期に関西国際空港の利用歴があったことから、患者Bが症例1~5の感染源であった可能性が示唆されました。

※なお、この記載内容に関して、自治体、医療機関、その他関係機関等への直接の問い合わせはお控 えください。

measles kankuu 20161109

注1 掲載内容は、疫学調査などの結果で今後、更新される場合があります。

注2 症例1~4は、9月2日公表の第一報での症例2~5と同一です。

注3 遺伝子配列は症例1~5 で一致していました。

 

※本記事は、IASR速報記事「発生動向調査における麻しん発生状況, 2016年第1〜37週(9月21日集計)」(2016年10月07日掲載)の別添資料「関西国際空港の利用日および/またはウイルス遺伝子型が共通する麻しん報告例(2016 年 9 月 1 日現在)」の更新版です。

 

 

 

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