国立感染症研究所

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トキソプラズマ症

(IASR Vol. 43 p49-50: 2022年3月号)

 

 トキソプラズマ症は, トキソプラズマ(Toxoplasma gondii)という寄生性原生生物(原虫)が引き起こす感染症である。ヒトに対する感染率は国や年齢などによって異なるが, 世界的にみると全人類の1/3以上が感染しているとされる。ブラジル, フランス, インドネシアなどで特に感染率が高い。わが国における感染率は不明であるが, 5-10%程度であろうと考えられている(本号3ページ&4ページ)。なお本疾患は, 感染症法に基づく感染症発生動向調査(NESID)の対象疾患には指定されていない。一方, トキソプラズマは家畜に対する病原体として重要であり, 家畜伝染病予防法により規定される届出伝染病(対象動物:めん羊, 山羊, 豚, いのしし)の1つとして指定されている(本号5ページ)。

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