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手足口病症例から検出されたEnterovirus D68―沖縄県

(IASR Vol. 44 p60-61: 2023年4月号)
 

Enterovirus D68(EV-D68)は主に小児で呼吸器疾患を引き起こし, 一部の小児では喘鳴や呼吸窮迫等のより重篤な下気道症状を生じることもある1,2)。2014年に米国で発生したEV-D68の大規模なアウトブレイクでは, 急性弛緩性麻痺(AFP)との関連性も報告されている3)。沖縄県では2022年に手足口病が流行し, 5月には6年ぶりに警報が発令されたことから, 当所では例年と比べ多くの病原体解析を実施した。手足口病はEnterovirus A71(EV-A71), Coxsackievirus A6(CV-A6), Coxsackievirus A10(CV-A10), Coxsackievirus A16(CV-A16)などが原因ウイルスとされているが, 当所において2022年10月に手足口病症例からEV-D68が複数検出されたため, その概要について報告する。

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