発生動向総覧
〈第16週コメント〉 4月23日集計分
◆全数報告の感染症
注意:これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が集計の期日以降に届くこともあります。それらについては一部を除いて発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。
*感染経路、感染原因、感染地域については、確定あるいは推定として記載されていたものを示します。
1類感染症: |
報告なし |
2類感染症: |
結核386例 |
3類感染症: |
細菌性赤痢2例
|
|
菌種:S. sonnei (D群)2例_感染地域:栃木県1例、エチオピア1例
|
腸管出血性大腸菌感染症49例(有症者31例、うちHUS 1例) |
|
感染地域:国内49例 国内の感染地域:福島県8例*、東京都8例*、秋田県4例*、埼玉県4例*、山形県3例*、神奈川県3例、新潟県2例*、佐賀県2例、宮城県1例、茨城県1例、千葉県1例、石川県1例、愛知県1例、三重県1例、滋賀県1例、岡山県1例、熊本県1例、不明6例 * 第14週に報告された馬刺しを原因食品とする食中毒患者(O157 VT1・VT2)を含む 年齢群:1歳(1例)、2歳(2例)、3歳(1例)、4歳(2例)、5歳(2例)、7歳(1例)、8歳(5例)、9歳(1例)、10代(6例)、20代(9例)、30代(9例)、40代(3例)、50代(3例)、60代(3例)、80代(1例) 血清型・毒素型:O157 VT1・VT2(31例)、O26 VT1(5例)、O157 VT不明(4例)、O121 VT2(1例)、O145 VT2(1例)、O157 VT2(1例)、その他・不明(6例) 累積報告数:249例(有症者177例、うちHUS 8例.死亡なし)
|
パラチフス1例(感染地域:カンボジア) |
4類感染症: |
E型肝炎2例
|
|
感染地域(感染源):石川県2例(不明2例)
|
A型肝炎4例
|
|
感染地域:東京都1例、広島県1例、福岡県1例、国内(都道府県不明)1例
|
コクシジオイデス症1例(感染地域:米国) デング熱1例(感染地域:タイ) マラリア3例(熱帯熱3例_感染地域:ケニア2例、カメルーン1例)
レジオネラ症7例(肺炎型7例)
|
|
感染地域:兵庫県2例、栃木県1例、千葉県1例、石川県1例、岡山県1例、国内(都道府県不明)1例 年齢群:50代(2例)、60代(2例)、70代(2例)、80代(1例)
|
|
5類感染症: |
アメーバ赤痢12例(腸管アメーバ症9例、腸管外アメーバ症3例) |
|
感染地域:埼玉県1例、東京都1例、神奈川県1例、兵庫県1例、福岡県1例、国内(都道府県不明)6例、タイ/インドネシア/中国1例 感染経路:性的接触6例(同性間1例、異性/同性間1例、異性間・同性間不明4例)、経口感染1例、不明5例
|
ウイルス性肝炎2例 |
|
B型2例_感染経路:性的接触2例(異性間1例、異性間・同性間不明1例)
|
急性脳炎3例 |
|
病原体不明3例_年齢群:0歳(1例.死亡)、2歳(1例)、4歳(1例)
|
クロイツフェルト・ヤコブ病1例 |
|
孤発性プリオン病古典型
|
劇症型溶血性レンサ球菌感染症4例 |
|
年齢群:70代(2例)、80代(2例.ともに死亡)
|
後天性免疫不全症候群17例(AIDS 3例、無症候13例、その他1例) |
|
感染地域:国内16例、国内・国外不明1例 感染経路:性的接触16例(異性間4例、同性間12例)、不明1例
|
侵襲性インフルエンザ菌感染症4例(菌検出検体:血液4例) |
|
年齢群:3歳(1例)、80代(2例)、90代(1例.死亡)
|
侵襲性肺炎球菌感染症23例(菌検出検体:血液21例、血液・髄液1例、髄液1例) |
|
年齢群:0歳(1例)、1歳(4例)、2歳(1例)、10代(1例)、50代(2例)、60代(3例)、70代(6例)、80代(3例)、90代(2例.うち1例死亡)
|
梅毒20例(早期顕症I期5例、早期顕症II期9例、無症候6例)
風しん7例(検査診断例3例、臨床診断例4例)
|
|
感染地域:東京都2例、神奈川県1例、愛媛県1例、国内(都道府県不明)2例、インドネシア1例 年齢群:4歳(1例)、25~29歳(2例)、30~34歳(1例)、35~39歳(1例)、40代(1例)、50代(1例) 累積報告数:156例(検査診断例102例、臨床診断例54例)
|
麻しん18例〔麻しん(検査診断例13例、臨床診断例4例)、修飾麻しん1例〕
|
|
感染地域:和歌山県3例、東京都2例、神奈川県2例、大阪府2例、北海道1例、福井県1例、愛知県1例、国内(都道府県不明)2例、フィリピン2例、インドネシア1例、ベトナム1例 年齢群:0歳(2例)、1歳(1例)、5~9歳(1例)、10~14歳(4例)、15~19歳(2例)、20~24歳(1例)、25~29歳(2例)、30~34歳(2例)、35~39歳(2例)、50代(1例) 累積報告数:300例〔麻しん(検査診断例225例、臨床診断例40例)、修飾麻しん35例〕
|
(補)2013年第16週から2014年第15週までに診断されたものの報告遅れとして、パラチフス1例(感染地域:パキスタン)、急性脳炎5例〔インフルエンザウイルスB型2例_年齢群:1歳(1例)、10代(1例).病原体不明3例_年齢群:1歳(1例)、10代(1例)、30代(1例)〕、劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例(70代)、バンコマイシン耐性腸球菌感染症1例(遺伝子型:VanB _菌検出検体:胆汁)などの報告があった。
|
◆定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000 カ所)、眼科定点(約600 カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。
インフルエンザ:定点当たり報告数は増加した。都道府県別の上位3位は山梨県(11.43)、岩手県(11.09)、山形県(10.92)である。基幹定点からのインフルエンザ入院サーベイランスにおける報告数は165例と前週と比較して減少した。42都道府県から報告があり、年齢別では0歳(10例)、1~9歳(63例)、10代(12例)、20代(6例)、30代(2例)、40代(2例)、50代(10例)、60代(12例)、70代(22例)80歳以上(26例)であった。
小児科定点報告疾患:RSウイルス感染症の報告数は503例と減少した。年齢別では1歳以下の報告数が全体の約82%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は2週連続で増加し、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してやや多い。都道府県別の上位3位は島根県(1.65)、富山県(1.48)、宮崎県(1.25)である。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は2週連続で増加した。都道府県別の上位3位は山形県(4.63)、新潟県(4.48)、富山県(4.17)である。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は2週連続で増加した。都道府県別の上位3位は宮崎県(18.22)、大分県(16.28)、岡山県(14.31)である。水痘の定点当たり報告数は3週連続で減少した。都道府県別の上位3位は沖縄県(2.03)、福井県(1.95)、鹿児島県(1.95)、大分県(1.75)である。手足口病の定点当たり報告数は3週連続で増加した。都道府県別の上位3位は熊本県(2.02)、宮崎県(1.42)、大分県(0.83)である。百日咳の定点当たり報告数は2週連続で増加した。都道府県別の上位3位は長崎県(0.14)、滋賀県(0.09)、沖縄県(0.09)、福井県(0.05)である。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は第13週以降増加が続いている。都道府県別の上位3位は熊本県(0.66)、佐賀県(0.39)、福岡県(0.33)、大分県(0.33)である。
基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は2週連続で増加した。都道府県別の上位3位は富山県(1.80)、青森県(1.00)、宮城県(0.92)である。感染性胃腸炎(ロタウイルスに限る)の定点当たり報告数は2週連続で増加した。39都道府県から261例報告があり、年齢別では0歳(37例)、1~4歳(196例)、5~9歳(21例)、10代(4例)、20代(1例)、60代(1例)、70歳以上(1例)であった。
|