発生動向総覧
〈第32週コメント〉 8月13日集計分
◆全数報告の感染症
注意:これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が集計の期日以降に届くこともあります。それらについては一部を除いて発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。
*感染経路、感染原因、感染地域については、確定あるいは推定として記載されていたものを示します。
1類感染症: |
報告なし |
2類感染症: |
結核371例 |
3類感染症: |
細菌性赤痢3例 |
|
菌種:S. flexneri(B群)2例_感染地域:ウズベキスタン2例 S. sonnei(D群)1例_感染地域:千葉県
|
腸管出血性大腸菌感染症296例(有症者229例、うちHUS 8例) |
|
感染症296例(有症者229例、うちHUS 8例) 感染地域:国内293例、イタリア/フランス1例、国内・国外不明2例 国内の多い感染地域:静岡県65例*、埼玉県40例**、千葉県29例***、大阪府23例#、群馬県14例##、福岡県14例、兵庫県9例###、神奈川県7例、三重県7例、東京都6例、愛知県6例 * 第31週に報告された冷やしキュウリを原因とした食中毒患者を含む(O157 VT1・VT2) ** 第31週に報告された保育所における給食を原因とした食中毒患者を含む(O157 VT1・VT2) *** 保育所における集団感染例を含む(O145 VT1) # 保育所における集団感染例を含む(O26 VT1) ## 保育所における集団感染例を含む(O26 VT1) ### 保育所における集団感染例を含む(O157 VT2) 年齢群:0歳(2例)、1歳(14例)、2歳(28例)、3歳(21例)、4歳(7例)、5歳(19例)、6歳(10例)、7歳(4例)、8歳(4例)、9歳(4例)、10代(39例)、20代(63例)、30代(20例)、40代(21例)、50代(12例)、60代(13例)、70代(7例)、80代(7例)、90代(1例) 血清型・毒素型:O157 VT1・VT2(129例)、O26 VT1(48例)、O157 VT2(33例)、O157 VT不明(25例)、O145 VT1(14例)、O157 VT1(5例)、O103 VT1(2例)、O119 VT2(2例)、O121 VT2(2例)、O103 VT2(1例)、O111 VT1(1例)、O115 VT1(1例)、O145 VT2(1例)、O145 VT不明(1例)、O165 VT2(1例)、その他・不明(30例) 累積報告数:2,109例(有症者1,485例、うちHUS 59例.死亡2例)
|
|
4類感染症: |
E型肝炎2例
|
|
感染地域(感染源):富山県1例(不明)、宮崎県1例(鹿肉)
|
A型肝炎3例
|
|
感染地域:国内(都道府県不明)1例、スリランカ1例、南アフリカ/ナミビア/ボツワナ/ザンビア/ジンバブエ1例
|
重症熱性血小板減少症候群4例
|
|
感染地域:和歌山県1例、岡山県1例、長崎県1例、鹿児島県1例 年齢群:60代(3例)、80代(1例)
|
デング熱2例(感染地域:カンボジア1例、マレーシア1例) 日本紅斑熱5例(感染地域:和歌山県2例、鹿児島県2例、大阪府1例) ブルセラ症1例(感染地域:茨城県_感染源:不明)
マラリア2例
|
|
三日熱1例_感染地域:インド 熱帯熱1例_感染地域:ウガンダ
|
ライム病1例(感染地域:北海道)
レジオネラ症21例(肺炎型20例、無症状病原体保有者1例)
|
|
感染地域:宮城県2例、神奈川県2例、福岡県2例、熊本県2例、青森県1例、東京都1例、長野県1例、岐阜県1例、愛知県1例、広島県1例、国内(都道府県不明)7例 年齢群:20代(1例)、40代(1例)、50代(2例)、60代(7例)、70代(3例)、80代(4例)、90代(3例) 累積報告数:692例
|
レプトスピラ症2例
|
|
感染地域:沖縄県2例 感染源:水系感染(川)1例、川でのキャンプ1例
|
|
5類感染症: |
アメーバ赤痢15例(腸管アメーバ症10例、腸管外アメーバ症3例、腸管及び腸管外アメーバ症2例) |
|
感染地域:東京都5例、大阪府3例、奈良県1例、大分県1例、国内(都道府県不明)2例、ナイジェリア1例、東南アジア(国不明)1例、国内・国外不明1例 感染経路:性的接触6例(異性間4例、同性間2例)、経口感染2例、不明7例
|
ウイルス性肝炎1例 |
|
B型_感染経路:性的接触(異性間)
|
クロイツフェルト・ヤコブ病3例 |
|
孤発性プリオン病古典型2例 遺伝性プリオン病家族性1例
|
劇症型溶血性レンサ球菌感染症6例 |
|
年齢群:30代(1例)、50代(1例)、80代(4例.うち2例死亡)
|
後天性免疫不全症候群18例(AIDS 5例、無症候13例) |
|
感染地域:国内12例、フィリピン2例、米国1例、国内・国外不明3例 感染経路:性的接触12例(異性間3例、同性間9例)、輸血(国外)1例、母子感染1例、不明4例
|
ジアルジア症1例(感染地域:三重県)
侵襲性インフルエンザ菌感染症2例(菌検出検体:血液2例) |
|
年齢群:80代(2例.うち1例死亡)
|
侵襲性肺炎球菌感染症8例(菌検出検体:血液6例、血液・髄液1例、髄液1例) |
|
年齢群:1歳(1例)、30代(1例)、50代(2例)、60代(2例)、70代(2例)
|
梅毒26例(早期顕症I期5例、早期顕症II期16例、無症候5例) 破傷風2例〔年齢群:80代(1例)、90代(1例)〕
麻しん4例〔麻しん(検査診断例4例)〕
|
|
感染地域:神奈川県1例、三重県1例、国内(都道府県不明)1例、ベトナム1例 年齢群:25~29歳(1例)、30~34歳(2例)、40代(1例) 累積報告数:426例〔麻しん(検査診断例320例、臨床診断例53例)、修飾麻しん53例〕
|
(補)2013年第32週から2014年第31週までに診断されたものの報告遅れとして、E型肝炎1例(感染地域:熊本県_感染源:不明)、エキノコックス症1例(多包条虫_感染地域:北海道)、日本紅斑熱5例(感染地域:三重県2例、徳島県1例、高知県1例、長崎県1例)、急性脳炎7例〔アデノウイルス41型1例_年齢群:3歳.病原体不明6例_年齢群:0歳(1例)、1歳(1例)、9歳(1例)、10代(1例)、40代(1例)、60代(1例)〕などの報告があった。
|
◆定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000 カ所)、眼科定点(約600 カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。
インフルエンザ:定点当たり報告数は減少した。都道府県別の上位3位は沖縄県(0.72)、福岡県(0.08)、岐阜県(0.07)である。基幹定点からのインフルエンザ入院サーベイランスにおける報告数は1例と前週と比較して減少した。都道府県別では兵庫県から報告があった。
小児科定点報告疾患:RSウイルス感染症の報告数は551例と2週連続で増加した。年齢別では1歳以下の報告数が全体の約83%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は減少したが、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してやや多い。都道府県別の上位3位は群馬県(1.03)、京都府(0.99)、島根県(0.96)である。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は第23週以降減少が続いているが、過去5年間の同時期と比較してやや多い。都道府県別の上位3位は島根県(2.26)、山口県(1.59)、福岡県(1.57)である。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は減少したが、過去5年間の同時期と比較してやや多い。都道府県別の上位3位は大分県(8.22)、愛媛県(5.62)、宮崎県(5.33)である。水痘の定点当たり報告数は第24週以降減少が続いている。都道府県別の上位3位は福井県(1.59)、長野県(1.06)、大分県(1.06)、香川県(0.93)である。手足口病の定点当たり報告数は減少した。都道府県別の上位3位は石川県(3.69)、福岡県(3.58)、大分県(2.81)である。百日咳の定点当たり報告数は増加した。都道府県別の上位3位は和歌山県(0.13)、沖縄県(0.12)、兵庫県(0.11)、鳥取県(0.11)である。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は減少したが、過去5年間の同時期と比較してやや多い。都道府県別の上位3位は長野県(10.06)、山形県(9.97)、新潟県(9.26)である。
基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は2週連続で増加した。都道府県別の上位3位は富山県(1.40)、石川県(1.20)、長崎県(0.92)である。感染性胃腸炎(ロタウイルスに限る)の定点当たり報告数は第21週以降減少が続いている。4県から4例報告があり、年齢別では1~4歳(2例)、10代(2例)であった。
|