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クルーズ船内で発生した新型コロナウイルス感染症の集団発生事例対応における健康管理アプリの有用性

(速報掲載日 2020/7/15) (IASR Vol. 41 p144-145: 2020年8月号)

停泊中のクルーズ船内で発生した新型コロナウイルス感染症の集団発生事例への対応に際して、外国籍乗員の健康観察を目的として外国語対応の健康管理アプリを開発し導入した。今後の事例対応の参考になると考え、その経緯について報告する。

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日本国内の新型コロナウイルス感染症第一例を契機に検知された中国武漢市における市中感染の発生

(速報掲載日 2020/7/7) (IASR Vol. 41 p143-144: 2020年8月号)

患者Aは、2020年1月3日(以下、特記しない日付は2020年)に中国武漢市に滞在中に発熱を認め、帰国日の1月6日に日本国内のクリニックでインフルエンザ迅速診断キット陰性とされ、自宅療養をしていたが、症状が軽快しないため、1月10日にX病院を受診し、胸部レントゲン写真で肺炎像が確認された。1月13日には肺炎症状が改善をみないことを受け、1月14日に管轄保健所により行政検査の手続きがとられ、1月15日夜に確定診断がなされ、日本国内で検知された新型コロナウイルス感染症第一例目となった。世界保健機関(WHO)に対しては1月16日未明に国際保健規則に基づいて症例の発生が通告された。

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ヒトコロナウイルス(HCoV)感染症の季節性について―病原微生物検出情報(2015~2019年)報告例から―

(速報掲載日 2020/7/2) (IASR Vol. 41 p124-125: 2020年7月号)

人に感染するコロナウイルス(Human coronavirus:HCoV)には、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の原因ウイルスであるSARS-CoV-2以外に、主に小児が冬季にかかる風邪の原因ウイルスであるHCoV-NL63(以下NL63)、HCoV-OC43(同OC43)、HCoV-HKU1(同HKU1)、HCoV-229E(同229E)がある(以下、4種を総称してcommon HCoV:cHCoVとする)。また、日本での報告はないが致命率の高い中東呼吸器症候群ウイルス(Middle East respiratory syndrome coronavirus: MERS-CoV)や2002年に発生したが2004年以降報告のない重症呼吸器症候群ウイルス(Severe acute respiratory syndrome coronavirus: SARS-CoV)がある。

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環境水調査による新型コロナウイルスの下水からの検出

(速報掲載日 2020/7/1) (IASR Vol. 41 p122-123: 2020年7月号)

横浜市衛生研究所では, 2013(平成25)年度からポリオ環境水サーベイランスを調査研究として実施し, 2020(令和2)年度で8年目となる。本報告はポリオ環境水サーベイランスで実施した流入下水濃縮検体を利用したSARS-CoV-2の遺伝子検査の結果である。

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名古屋市における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行の評価:検査数・陽性数・陽性率および検査対象の層別化の重要性

(速報掲載日 2020/6/2) (IASR Vol. 41 p119-121: 2020年7月号)

感染症サーベイランスにおいては、感染の有無を確認するための検査体制や検査へのアクセスの変化等によって、流行状況に変化がなくても探知される陽性数が変動することがある(サーベイランスバイアス)。例えば、検査キットの普及や検査の保険適応等によって、検査数が増加し、その影響で陽性数が増加することがある。よって、感染症の流行状況(以下、トレンド)をより適切に評価するためには、陽性数の推移だけではなく、検査数の推移をまず確認し、さらに陽性数を検査数で除した陽性割合(陽性率)の推移を把握することも重要である1, 2)。ただし、検査対象が異なる集団(例:スクリーニングか治療目的の医療機関受診か、外来加療中か入院加療中か等)を含む場合、検査対象の集団の構成割合が大きく変化する場合など、異なる集団全体を合算した場合はトレンドの評価は困難になる。このような場合、検査対象者の層別化によって、特定の性質を持った集団ごとに検査数、陽性数、陽性率の推移を観察することが重要である。

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COVID-19感染症検査陰性検体の病原体検索 -福岡県-

(速報掲載日 2020/4/24) (IASR Vol. 41 p84-85: 2020年5月号)

2020年に中国武漢市を中心に広がった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、わが国で1月16日より疑似症サーベイランスの枠組みで探知されることとなり、同年1月28日に指定感染症に指定された。これを受け、当所でも検査を実施している。検体の多くは、発熱等の症状を示した患者からの検体が多いにもかかわらず、3月4日までに搬入された81名(119検体)の検査結果はすべて陰性であった。本報告では、これら陰性検体について原因を調べるため、以前当所で開発した呼吸器マルチプレックスPCR検査により、病原体の検索を行ったので報告する。

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札幌市内中核病院における医療従事者新型コロナウイルス感染症例の感染状況

(速報掲載日 2020/4/22) (IASR Vol. 41 p82-84: 2020年5月号)

2019年12月に中国で初めて確認された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は1)、国内では1月14日に、札幌市では2月14日に初めて患者が確認された2)。札幌市内では、その後散発的に患者発生が続き、3月1日時点で16人の患者が確認されていた3,4)。同月、札幌市内の中核病院の外来を受診したCOVID-19患者(以後、患者)から医療従事者への感染例が報告された。患者は3月3日倦怠感で内科外来を受診した60代男性で、発熱や咳嗽は認められなかった。倦怠感が強かったため、内科外来ベッドで横になりながら、看護師と医師による問診、診察、咽頭インフルエンザ迅速検査、採血、点滴、CT検査を受けた。途中、検査結果や画像所見から、COVID-19を含む呼吸器感染症が疑われた。患者は外来の感染症患者用ベッドに移され、そこで改めてCOVID-19検査の為の咽頭ぬぐい液が採取された。札幌市衛生研究所で実施されたRT-PCRでSARS-CoV-2の検出が確認された。一連の外来処置で、同院の医師1人、看護師6人、受付1人の計8人の医療従事者が同患者と接触していた。うち看護師Aは3月7日に発症し、採取された咽頭ぬぐい液からSARS-CoV-2が検出された。残り7人は3月11日時点で検査陰性であり、以降の観察期間中に疑わしい症状を認めることはなかった。COVID-19患者と接触した職員の感染リスクを評価するため、接触した医療従事者の曝露、および接触した医療従事者の個人防護具使用の状況を確認することとした。

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中国武漢市からのチャーター便帰国者について:新型コロナウイルスの検査結果と転帰(第四報:第4、5便について)および第1~5便帰国者のまとめ(2020年3月25日現在)

(速報掲載日 2020/4/10) (IASR Vol. 41 p80-82: 2020年5月号)

本稿では、中国武漢市からのチャーター便〔第1~3便(患者1~13)〕帰国者についての続報として、第4、5便の帰国者および第1~5便のまとめについて情報還元する。

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中国武漢市からのチャーター便帰国者について:新型コロナウイルスの検査結果と転帰(第一報:第1便について)(2020年2月14日現在)

(速報掲載日 2020/4/7) (IASR Vol. 41 p76-77: 2020年5月号)

2020年1月3日に、中国湖北省武漢市において原因不明の重症肺炎の集積が報告され、その後、新型のコロナウイルスによることが判明した。1月14日に、神奈川県内の医療機関から管轄の保健所に対して、武漢市に滞在歴がある肺炎の患者が報告され、わが国における新型コロナウイルス感染症の1例目が1月15日に確認された。2月1日、新型コロナウイルス感染症は感染症法において指定感染症に指定された。

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中国武漢市からのチャーター便帰国者について:新型コロナウイルスの検査結果と転帰(第二報:第2便について)(2020年2月22日現在)

(速報掲載日 2020/4/7) (IASR Vol. 41 p78-79: 2020年5月号)

本稿では、「中国武漢市からのチャーター便〔第1便(患者1~5)〕帰国者について:新型コロナウイルスの検査結果と転帰(第一報:第1便について)」の続報として、第2便の帰国者について情報還元する。

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