国立感染症研究所

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蚊媒介感染症, 2012年1月~2022年3月

(IASR Vol. 43 p125-128: 2022年6月号)

 

 蚊はハエ目カ科に分類され, 世界に約3,600種類, 日本に112種類が記録されている(2014年現在)。多くの種は吸血性を示す(雌成虫のみ)。これら多様な蚊種のうち, 一部がヒトに関連する病原体の伝播を担っている(表1)。吸血によって蚊の消化管内に取り込まれた血液中に, その蚊に感染可能な病原体が含まれていた場合, 病原体は消化管上皮細胞へ感染・増殖し, 体腔側の組織・器官へ感染が拡大される, あるいは増殖をともなわずに体腔側へ移行する。いずれの場合においても, 病原体は蚊の消化管から体腔を介して2日~3週間ほどで唾液腺に達し, 蚊は病原体を媒介できる状態となる。この状態の蚊が脊椎動物から吸血する際, 病原体は唾液とともに脊椎動物の血管内へ入る。

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2021年5~6月にかけて関東地方で発生した新型コロナウイルスB.1.617.2(デルタ株)症例に関する実地疫学調査で得られた2つの製造業事業所の対策に関する考察

(IASR Vol. 43 p145-146: 2022年6月号)

 

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のB.1.617.2系統変異株(デルタ株)は, 2021年3月下旬に検疫で初めて検出され, 4月以降国内で急速に拡大した。この頃, 関東地方の自治体Aでは, 非正規の労働者を多く含む従業員数1,000名を超す製造業事業所2カ所でデルタ株の集団感染事例が確認された。これら2事例では工場内外でのデルタ株の広がり方が異なっていたため, 工場内で行われていた対策とともに報告する。

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群馬県において検出されたSARS-CoV-2デルタ株関連症例からみえた課題(2021年5月13日~10月12日)

(IASR Vol. 43 p147-149: 2022年6月号)

 

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は, 2022年3月7日時点で, 全世界において4.4億人以上に感染し, 590万人以上を死に至らしめている1)。2019年12月に中国の武漢でみつかったSARS-CoV-2はその後, 様々な変異株が世界各地で確認されパンデミックを長引かせている。2020年末にインドで出現したとされるB.1.617.2系統の変異株であるデルタ株は, 2021年4月に日本でも検出され, 8月を中心に大きな流行を引き起こした2)。群馬県においてもデルタ株は, 2021年5月13日採取の検体で最初に確認され, 8月を中心に大きな流行を起こした。群馬県衛生環境研究所では, 国立感染症研究所病原体ゲノム解析研究センターと共同で, SARS-CoV-2のゲノム解析を行い, ハプロタイプ・ネットワーク図を作成し, 疫学情報とあわせて解析を行っている。その結果から, 群馬県におけるデルタ株の感染状況に関する知見を得たので報告する。

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寝屋川市保健所管内における高齢者通所施設における新型コロナウイルスオミクロン株感染事例

(IASR Vol. 43 p149-151: 2022年6月号)

 
背 景

 2019年12月に中国湖北省武漢市で不明肺炎として初めて報告された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は, 2020年3月11日には世界的大流行(パンデミック)が世界保健機関(WHO)によって宣言された新興感染症である。数次の変異ウイルスの流行を経て, 2021年11月26日, WHOは南アフリカ共和国から報告された新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の変異ウイルスであるB.1.1.529系統(オミクロン株)を, 懸念される変異株(Variant of Concern: VOC)と分類した1)。2021年12月中旬以降, 日本国内においてオミクロン株によるCOVID-19の市中感染の報告が散見されるようになり, 2022年に入り大きな流行となった。2021年12月に大阪府寝屋川市内の社会福祉施設(高齢者向けリハビリデイケア)において, 本邦初と考えられるSARS-CoV-2オミクロン株症例の集団発生(クラスター)が認められた。施設において認められたオミクロン株症例の臨床像および推定感染経路についての分析結果を報告する。

(掲載日2022年6月15日)
(一部改正2022年7月8日)
国立感染症研究所
国立国際医療研究センター国際感染症センター
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サル痘は接触感染や飛沫感染を起こすが、日常生活の中で空気感染を起こすことは確認されていない。ただし、空気感染を起こすと考えられている麻しんや水痘との臨床的な鑑別が困難であるため、発熱と発疹がありそれらの感染症が否定できない間は、サル痘疑いの患者には空気予防策の実施が求められる。

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国立感染症研究所インフルエンザ・呼吸器系ウイルス研究センター第一室

 

全国地方衛生研究所

 日本は世界最大の抗インフルエンザ薬使用国であり、薬剤耐性株の検出状況を迅速に把握し、自治体および医療機関に情報提供することは公衆衛生上重要である。そこで全国地方衛生研究所と国立感染症研究所では、ノイラミニダーゼ阻害薬のオセルタミビル(商品名タミフル)、ザナミビル(商品名リレンザ)、ペラミビル(商品名ラピアクタ)およびラニナミビル(商品名イナビル)、キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬のバロキサビルマルボキシル(商品名ゾフルーザ)ならびにM2阻害薬のアマンタジン(商品名シンメトレル)に対する薬剤耐性株サーベイランスを実施している。

 

 

 薬剤耐性株サーベイランスは、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」に基づく施策として位置づけられた感染症発生動向調査事業として実施されており、検体の収集については感染症発生動向調査事業実施要綱に規定されている。

すなわち、都道府県が関係医師会等の協力を得て選定した病原体定点医療機関において、インフルエンザ あるいはインフルエンザ 様疾患患者から検体が採取され、インフルエンザの流行期には少なくとも週1検体、非流行期には少なくとも月1検体が地方衛生研究所に送付される。

各地方衛生研究所において検体から分離されたウイルス株は国の感染症サーベイランスシステムに登録され、登録株の約10〜15%がコンピューターで無作為抽出された後、国立感染症研究所に送付される。

国立感染症研究所では、原則として送付されたすべてのウイルス株について解析を行い、国内外に向けて随時結果を報告している。

 

 

 下記の表に、遺伝子解析により薬剤耐性マーカーを検出した結果ならびに薬剤感受性試験を行った結果の集計を示す。集計結果は随時更新される。

ノイラミニダーゼ阻害薬については、世界保健機関(WHO)の基準に準じ、薬剤感受性試験においてA型ウイルスでは100倍以上、B型ウイルスでは50倍以上の感受性低下が確認された場合に耐性ウイルスと判定する。

キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬については、WHOの暫定基準に準じ、薬剤感受性試験において3倍以上の感受性低下が確認された場合に感受性低下ウイルスと判定し、合わせて薬剤耐性マーカーの検出結果を示す。

M2阻害薬については、薬剤耐性マーカーの検出結果を示す。

 
 

2021/2022シーズン  (データ更新日:2022年06月10日)NEW

  dr21 22j20220610 1s
  表1.抗インフルエンザ薬耐性株検出情報 [A(H1N1)pdm09, A(H3N2), B]
  表2.ノイラミニダーゼ阻害薬耐性A(H1N1)pdm09株検出情報 報告機関別
  表3.ノイラミニダーゼ阻害薬耐性A(H1N1)pdm09株検出情報 検体採取週別
  表4.ノイラミニダーゼ阻害薬耐性A(H3N2), B型株検出情報 報告機関別
  表5.エンドヌクレアーゼ阻害薬耐性変異株検出情報 報告機関別
   
  2020/2021シーズン  (データ更新日:2021年07月27日)
  表1.抗インフルエンザ薬耐性株検出情報 [A(H1N1)pdm09, A(H3N2), B]
  表2.ノイラミニダーゼ阻害薬耐性A(H1N1)pdm09株検出情報 報告機関別
  表3.ノイラミニダーゼ阻害薬耐性A(H1N1)pdm09株検出情報 検体採取週別
  表4.ノイラミニダーゼ阻害薬耐性A(H3N2), B型株検出情報 報告機関別
  表5.エンドヌクレアーゼ阻害薬耐性変異株検出情報 報告機関別
   
  2019/2020シーズン  (データ更新日:2021年08月18日)
  表1.抗インフルエンザ薬耐性株検出情報 [A(H1N1)pdm09, A(H3N2), B]
  表2.ノイラミニダーゼ阻害薬耐性A(H1N1)pdm09株検出情報 報告機関別
  表3.ノイラミニダーゼ阻害薬耐性A(H1N1)pdm09株検出情報 検体採取週別
  表4.ノイラミニダーゼ阻害薬耐性A(H3N2), B型株検出情報 報告機関別
  表5.エンドヌクレアーゼ阻害薬耐性変異株検出情報 報告機関別
   
  2018/2019シーズン  (データ更新日:2019年12月27日)
  表1.抗インフルエンザ薬耐性株検出情報 [A(H1N1)pdm09, A(H3N2), B]
  表2.ノイラミニダーゼ阻害薬耐性A(H1N1)pdm09株検出情報 報告機関別
  表3.ノイラミニダーゼ阻害薬耐性A(H1N1)pdm09株検出情報 検体採取週別
  表4.ノイラミニダーゼ阻害薬耐性A(H3N2), B型株検出情報 報告機関別
  表5.エンドヌクレアーゼ阻害薬耐性変異株検出情報 報告機関別
   
  2017/2018シーズン  (データ更新日:2019年09月24日) 
  表1.抗インフルエンザ薬耐性株検出情報 [A(H1N1)pdm09, A(H3N2), B]
  表2.ノイラミニダーゼ阻害薬耐性A(H1N1)pdm09株検出情報 報告機関別
  表3.ノイラミニダーゼ阻害薬耐性A(H1N1)pdm09株検出情報 検体採取週別
  表4.ノイラミニダーゼ阻害薬耐性A(H3N2), B型株検出情報 報告機関別
  表5.エンドヌクレアーゼ阻害薬耐性変異株検出情報 報告機関別
   
  2016/2017シーズン  (データ更新日:2020年01月27日)
  表1.抗インフルエンザ薬耐性株検出情報 [A(H1N1)pdm09, A(H3N2), B]
  表2.抗インフルエンザ薬耐性A(H1N1)pdm09株検出情報 報告機関別
  表3.抗インフルエンザ薬耐性A(H1N1)pdm09株検出情報 検体採取週別
  表4.抗インフルエンザ薬耐性A(H3N2), B型株検出情報 報告機関別
   
  2015/2016シーズン  (データ更新日:2020年01月27日)
  表1.抗インフルエンザ薬耐性株検出情報 [A(H1N1)pdm09, A(H3N2), B]
  表2.抗インフルエンザ薬耐性A(H1N1)pdm09株検出情報 報告機関別
  表3.抗インフルエンザ薬耐性A(H1N1)pdm09株検出情報 検体採取週別
  表4.抗インフルエンザ薬耐性A(H3N2), B型株検出情報 報告機関別
   
  2014/2015シーズン  (データ更新日:2016年03月04日)
  表1.抗インフルエンザ薬耐性株検出情報 [A(H1N1)pdm09, A(H3N2), B]
  表2.抗インフルエンザ薬耐性A(H1N1)pdm09株検出情報 報告機関別
  表3.抗インフルエンザ薬耐性A(H1N1)pdm09株検出情報 検体採取週別
  表4.抗インフルエンザ薬耐性A(H3N2), B型株検出情報 報告機関別
   
  2013/2014シーズン  (データ更新日:2015年04月23日)
  表1.抗インフルエンザ薬耐性株検出情報 [A(H1N1)pdm09, A(H3N2), B]
  表2.抗インフルエンザ薬耐性A(H1N1)pdm09株検出情報 報告機関別
  表3.抗インフルエンザ薬耐性A(H1N1)pdm09株検出情報 検体採取週別
  表4.抗インフルエンザ薬耐性A(H3N2), B型株検出情報 報告機関別
   
  2012/2013シーズン  (データ更新日:2014年3月10日)
  表1.抗インフルエンザ薬耐性株検出情報 [A(H1N1)pdm09, A(H3N2), B]
  表2.抗インフルエンザ薬耐性A(H1N1)pdm09株検出情報 報告機関別
  表3.抗インフルエンザ薬耐性A(H1N1)pdm09株検出情報 検体採取週別
  表4.抗インフルエンザ薬耐性A(H3N2), B型株検出情報 報告機関別
   
  2011/2012シーズン  (データ更新日:2013年4月11日)
  表1.抗インフルエンザ薬耐性株検出情報 [A(H1N1)pdm09, A(H3N2), B]
  表2.抗インフルエンザ薬耐性A(H1N1)pdm09株検出情報 報告機関別
  表3.抗インフルエンザ薬耐性A(H1N1)pdm09株検出情報 検体採取週別
  表4.抗インフルエンザ薬耐性A(H3N2), B型株検出情報 報告機関別
   
  2010/2011シーズン  (データ更新日:2013年2月6日)
  表1.抗インフルエンザ薬耐性株検出情報 [A(H1N1)pdm09, A(H3N2), B]
  表2.抗インフルエンザ薬耐性A(H1N1)pdm09株検出情報 報告機関別
  表3.抗インフルエンザ薬耐性A(H1N1)pdm09株検出情報 検体採取週別
  表4.抗インフルエンザ薬耐性A(H3N2), B型株検出情報 報告機関別
   
  2009/2010シーズン  (データ更新日:2013年2月6日)
  表1.抗インフルエンザ薬耐性株検出情報 [A(H1N1)pdm09, A(H3N2), B]
  表2.抗インフルエンザ薬耐性A(H1N1)pdm09株検出情報 報告機関別
  表3.抗インフルエンザ薬耐性A(H3N2), B型株検出情報 報告機関別

 

 

 

 

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan

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