国立感染症研究所

 

IASR-logo

真菌の薬剤感受性試験

(IASR Vol.45 p24-25: 2024年2月号)
 
はじめに

真菌の薬剤感受性試験は, 真菌症治療において抗真菌薬の選択や投与量を決定するうえで重要な検査の1つである。また近年, 多剤耐性のCandida aurisやアゾール耐性のAspergillus fumigatusなど, 各種抗真菌薬に対して耐性を示す真菌の増加にともない, 薬剤感受性試験の必要性が高まっている。現在, 国内では, 微量液体希釈法およびディスク拡散法, E-testが体外診断薬として認可を受けている。これらの試験法のうち, 国際的に推奨されている微量液体希釈法で試験が実施されることが多い。これまでに真菌の薬剤感受性試験の標準試験法は, 米国のClinical and Laboratory Standards Institute(CLSI)が主導し, 制定されてきた。CLSIに追随しヨーロッパのThe European Committee on Antimicrobial Susceptibility Testing(EUCAST)や日本医真菌学会などが独自の標準試験法を発表している。本稿ではグローバルスタンダードとして, わが国を含めて広く受け入れられているCLSIの標準試験法を中心に解説する。

 

IASR-logo

アスペルギルス症: 薬剤耐性問題の現状と対策

(IASR Vol. 45 p25-26: 2024年2月号)
 

アスペルギルス症は, 環境中に広く存在するAspergillus属の糸状菌が原因となる深在性真菌症の1つである。胞子や分生子の形で空気中に浮遊し, ヒトがこれらを吸入することによって感染が生じる。特に, 侵襲性肺アスペルギルス症は, 免疫不全患者(好中球減少症の患者や造血幹細胞移植を受けた患者など)において発症しやすい。予後は非常に重篤で, 現在利用可能な最も効果的な治療薬を用いても, 依然として高い致命率を有している1)。経口抗真菌薬として国内承認されているのは, アゾール系抗真菌薬であるイトラコナゾール, ボリコナゾール, ポサコナゾール, イサブコナゾールのみである。長期投与が必要な外来治療において重要な役割を果たしており, 耐性化の進行は治療の困難化を招く可能性がある。

 

IASR-logo

国内の抗真菌薬耐性白癬菌について

(IASR Vol. 45 p26-27: 2024年2月号)
 
はじめに

白癬は日常診療でよく遭遇する皮膚疾患であり, 足白癬の国内の有病率は21.6%(患者数は約2,500万人), 爪白癬は10.0%(約1,000万人)と推計されている。Trichophyton rubrumに代表される白癬菌(皮膚糸状菌)が白癬の原因真菌である。治療は抗真菌薬の外用または内服により行われ, アリルアミン系のテルビナフィン(TRBF)やアゾール系抗真菌薬などが使用される。

 

IASR-logo

新規抗真菌薬イサブコナゾールと期待される開発中の抗真菌薬

(IASR Vol. 45 p27-29: 2024年2月号)
 
はじめに

深在性真菌症に対してわが国で使用できる抗真菌薬は作用機序別に4種10薬剤程度にすぎない。多彩な機序の抗菌薬に比較して, その選択肢は限られる。本稿では, 最も新しい抗真菌薬のイサブコナゾール(2023年上市)および, 国内外で開発中の注目される新規抗真菌薬について概説する。

 

更新  2024.2.27 第7週(2/12~2/18)データを掲載しました。

※次回の第8週の更新は3月5日(火)です。

※2015年からはCSVデータのみの更新となります。

2015年からのIDWRの変更についてはこちら から。


*データは報告数集計の速報値として公開するものであり、後日感染症発生動向調査 週報 、さらには確定データとしての年報において修正される場合があります。また発生動向に関するコメント、その他詳細についても週報をご参照ください。

 

■全数把握疾患、報告数、累積報告数、都道府県別

一~五類感染症の全数把握疾患についての各週の報告数、および当年第1週からの累積報告数です。
※累積報告数は再集計されています。

DL-csv

第7週

■定点把握疾患(週報告)、報告数、定点当たり報告数、都道府県別
五類感染症のうち週単位で報告される定点把握疾患の報告数、および定点当たり報告数です。
DL-csv

第7週

■定点把握疾患(週報告)、累積報告数、定点当たり累積報告数、都道府県別
五類感染症のうち週単位で報告される定点把握疾患の、当年第1週からの累積報告数、および定点当たり報告数です。
※累積報告数は再集計されています。
DL-csv

第7週

■疾病毎定点当たり報告数 ~過去10年間との比較~
五類感染症のうち週単位で報告される定点把握疾患の過去10年間の定点当たり報告数です。
DL-csv

第7週

■定点把握疾患(週報告)、(1週から当該週まで)報告数・定点当り報告数
五類感染症のうち週単位で報告される定点把握疾患の、当年1週から当該週までの各週の報告数、および定点当たり報告数です。
※報告数・累積報告数は再集計されています。
DL-csv

第7週

■動物疾患、報告数、累積報告数、都道府県別
獣医師が届出を行う感染症と対象動物についての各週の報告数、および当年第1週からの累積報告数です。
※累積報告数は再集計されています。
DL-csv

第7週

2024年第6週(第6号)*1月報含む  

  pdficons  ダウンロード(40p/1.4MB)

(2月5日~2月11日) 発生動向総覧/感染症関連情報〔病原体情報/海外感染症情報/その他〕〔2024年2月26日発行〕
※2015年からのIDWRの変更についてはこちらから。

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan

Top Desktop version