●家庭における先天性風疹症候群の児のケアについて
先天性風疹症候群の赤ちゃんの鼻、のど、尿からは、数カ月にわたって風疹ウイルスが排泄されていることがあります。風疹に対する免疫がない人が周りにいると、鼻水、よだれなどの分泌物や尿に含まれている風疹ウイルスが感染(接触感染)してしまう可能性があります。そのため、1歳になるまでの間、もしくは、咽頭ぬぐい液や尿の検査によって2回連続して風疹ウイルスが検出されないことが確認されるまでは、接触感染予防に注意してください1)。
具体的には、
①まず先天性風疹症候群の赤ちゃんと一緒に住む家族に、風疹の罹患歴がなく、かつ、風疹の予防接種を受けたことがない人がいないか確認しましょう。どちらもはっきりしない場合には風疹の予防接種を受けておくことが勧められます。
②そのうえで、赤ちゃんの鼻水やよだれをふき取ったあとや、おむつを交換したあとなどには、よく手を洗うことが大切です。これは、先天性風疹症候群の赤ちゃんをケアした方から周囲への感染を防ぐ意味でも重要なことです。
③おむつの処理については、特別に消毒などをする必要はありません。紙おむつは自治体の分別に従って廃棄してください。
また、風疹ウイルスを排出している期間に乳児健診や医療機関を受診する際には、あらかじめ保健所や医療機関に連絡し相談の上、受診されるとよいでしょう。
文献:1)Control of Communicable Diseases Manual 19 Ed. p533
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