Streptococcus pneumoniae hijacks host autophagy by deploying CbpC as a decoy for Atg14 depletion.
Sayaka Shizukuishi, Michinaga Ogawa, Satoko Matsunaga, Mikado Tomokiyo, Tadayoshi Ikebe, Shinya Fushinobu , Akihide Ryo & Makoto Ohnishi
肺炎の主要な原因菌である肺炎球菌は、時に小児や高齢者を中心に髄膜炎などの重篤な侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)を引き起こす。IPDを起こすためには肺炎球菌が細胞の中を通り抜ける必要があるが、今までに我々は、ゼノファジー(殺菌的オートファジー)が細胞内に侵入した肺炎球菌を殺菌排除することを報告している。今回、我々は肺炎球菌が巧妙な方法で宿主細胞の殺菌機構から逃れていることを発見した。
肺炎球菌は「おとり」として病原因子CbpCを細胞内に放ち、オートファジーを過剰誘導することでゼノファジーに必要なAtg14の分解・枯渇を引き起こしていた。その結果、燃料切れとなった細胞はゼノファジーを起こせなくなり、肺炎球菌は細胞内で生き延びられることが明らかになった。本成果は肺炎球菌の新規治療法開発に貢献することが期待される。
肺炎球菌から放たれたCbpCはAtg14を「からめ取り」、さらにp62と複合体を形成することで選択的オートファジーを誘導し、細胞内Atg14を枯渇させる。