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The C10orf76–PI4KB axis orchestrates CERT-mediated ceramide trafficking to the distal Golgi

Mizuike A, Sakai S, Katoh K, Yamaji T, and Hanada K

J Cell Biol, 222:e202111069, (2023). doi.org/10.1083/jcb.202111069

ゴルジ体などで合成される脂質であるホスファチジルイノシトール 4-一リン酸(PI4P)は宿主細胞だけでなく、様々な病原体が細胞に感染する際にも利用されています。

PI4Pはセラミド輸送タンパク質CERTのゴルジ体局在化にも必要です。セラミドは小胞体で合成されたのちにゴルジ体においてグルコシルセラミド(GlcCer)とスフィンゴミエリン(SM)に変換されるのですが、後者のみがCERTを介したセラミド供給に依存するという不思議な現象が知られていました。私たちは、PI4P合成酵素PI4KBがゴルジ体に局在するためにACBD3依存的な機序とC10orf76依存的な機序が並行して存在していること、そして、C10orf76はゴルジ体の中でもSM合成酵素の局在する遠位側に主に分布することを見出しました。これらのことから、C10orf76–PI4KB依存的なPI4P生産が小胞体―遠位ゴルジ体近接ゾーンにCERTを導き、小胞体で合成されたセラミドを効率的にSM合成場に転送していることが明らかとなりました。本内容は、感染研の品質保証・管理部、細胞化学部、及び産総研の共同研究の成果です。

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