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Mouse prion protein (PrP) segment 100 to 104 regulates conversion of PrPC to PrPSc in prion-infected neuroblastoma cells.

Hara H, Okemoto-Nakamura Y, Shinkai-Ouchi F, Hanada K, Yamakawa Y, and Hagiwara K

Journal of Virology, 86: 5626-5636, 2012

プリオン病は、神経組織に異常型プリオン蛋白質(PrPSc)が蓄積する神経変性病である。

 

 

病原体は正常型プリオン蛋白質(PrPC)の構造が異常化したPrPScであると考えられている。PrPScが鋳型となり、PrPCを正常型から異常型へ変換させる。この場合、PrPScがどのようにしてPrPCを異常型へ変換させるのかという分子過程については未だ謎が多い。また、生成するPrPSc凝集体の構造も、複数のモデルが提唱されているが未確定である。今回、構造変換の鍵となるマウスPrPCのアミノ酸配列の領域を検索し、100-104番目の領域が重要であることを明らかにした。この領域はPrPSc凝集体モデルのβシート間のループ部に相当し(図参照)、PrPCがPrPScへ変換する過程や凝集体構造の解明への示唆に富む。

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan