国立感染症研究所

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Phylogynamic Analysis Reveals CRF01_AE Dissemination between Japan and Nighboring Asian Countries and the Role of Intravenous Drug Use in Transmission.

Shiino, T., Hattori, J., Yokomaku, Y., Iwatani, Y., Sugiura, W. and Japanese Drug Resistance HIV-1 Surveillance Network.

PLoS One 9(7): e102633. doi:10.1371/journal.pone0102633

東南アジア諸国で流行しているHIV-1サブタイプの一つであるCRF01_AEは、我が国における疫学があまりわかっていない。我々は、日本薬剤耐性HIV-1サーベイランスネットワークに登録された3618名の患者のウイルス遺伝子配列を3種類の方法によって系統樹解析した。

 

 

複数の系統樹の単系統性の信頼度とサブツリーの塩基多様度の比較によってのCRF01_AEの4つの大きな流行クラスタと25の小さいクラスタを同定した。さらに、Bayesian MCMC法を使い有意なクラスタの共通祖先時間(tMRCA)の推定を行った。最も早くから流行していた大きなクラスタのtMRCAは1996年であり、その主なリスクは異性間接触による感染であった。残る4つの大きなクラスタのtMRCAは2000年から2002年の間にあり、薬物利用者と外国人を主体とするがMSMは含まれていなかった。一方、小さいクラスタには高頻度でMSMが含まれていた。系統樹解析はまた、数名の患者はアジア諸国の流行株に感染していることを示した。

図:日本で同定された感染クラスタのtMRCAと構成する患者の形質:上のグラフはリスク因子で、下のグラフは国籍で色分けした。感染クラスタは2つのピークに分かれて我が国に流行形成しており、前期は薬物利用者(IVDU)と外国人、後期はMSMと日本人が主体となっていることがわかる

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan

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