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imm 2022 02
Vaccination-infection interval determines cross-neutralization potency to SARS-CoV-2 Omicron after breakthrough infection by other variants

Sho Miyamoto†, Takeshi Arashiro†, Yu Adachi†, Saya Moriyama†, Hitomi Kinoshita†, Takayuki Kanno, Shinji Saito, Harutaka Katano, Shun Iida, Akira Ainai, Ryutaro Kotaki, Souichi Yamada, Yudai Kuroda, Tsukasa Yamamoto, Keita Ishijima, Eun-Sil Park, Yusuke Inoue, Yoshihiro Kaku, Minoru Tobiume, Naoko Iwata-Yoshikawa, Nozomi Shiwa-Sudo, Kenzo Tokunaga, Seiya Ozono, Takuya Hemmi, Akira Ueno, Noriko Kishida, Shinji Watanabe, Kiyoko Nojima, Yohei Seki, Takuo Mizukami, Hideki Hasegawa, Hideki Ebihara, Ken Maeda, Shuetsu Fukushi, Yoshimasa Takahashi, Tadaki Suzuki (†These authors contributed equally)

Med, Volume 3, Issue 4, 2022

2回mRNAワクチンを接種した後にアルファ系統またはデルタ系統のウイルス感染(ブレークスルー感染)を経験した人は、2回ワクチン接種を受けたが感染しなかった人に比べて、オミクロン系統に対する高い血清中和抗体価を持つことを明らかにしました。ワクチン接種から感染に至るまでの日数が長いほど、オミクロン系統を含む変異ウイルスに対する血清中和抗体価が高く誘導されていました。このような変異ウイルスに対する中和抗体の誘導要因の同定は、各地域のワクチン接種や感染流行の状況を踏まえた集団免疫の評価に寄与するだけでなく、3回目のワクチン接種がオミクロン系統の中和抗体産生を誘導する機構の理解を進めると期待されます。

本研究では、オミクロン系統とは異なる抗原のワクチン接種とウイルス感染によるブレークスルー感染にも関わらず、オミクロン系統に対する高い中和抗体価が誘導されること、ワクチン接種から感染までの日数が回復期の従来株、アルファ系統、ベータ系統、デルタ系統、オミクロン系統(BA.1とBA.1.1)に対する血清中和抗体価と正の相関を示すことを明らかにしました。これはワクチン接種後から感染に至るまでの日数が進むほど抗体を産生する記憶B細胞の成熟が進み(Kotaki et al. Science Immunology. 2022)、感染によって記憶B細胞が反応し、中和抗体産生が誘導されることを支持しています。

※本研究はブレークスルー感染の免疫応答から、集団免疫や免疫誘導の理解のために実施されたものであり、ブレークスルー感染を3回目ワクチン接種の代替とすることを支持するものではありません。ブレークスルー感染にも、ウイルス感染による発症及び重症化、他者への感染のリスクが伴います。

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan