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vir 2021 6
Interferon signaling suppresses the unfolded protein response and induces cell death in hepatocytes accumulating hepatitis B surface antigen.

Ian BaudiI, Masanori IsogawaI*, Federica Moalli, Masaya Onishi, Keigo Kawashima, Yuji Ishida, Chise Tateno, Yusuke Sato, Hideyoshi Harashima, Hiroyasu Ito, Tetsuya Ishikawa, Takaji Wakita, Matteo Iannacone, Yasuhito Tanaka*

PLoS Pathogens, 17(5), e1009228, 2021.

B型肝炎ウイルス(HBV)は急性および慢性肝炎、肝硬変、および肝細胞癌の原因となる。インターフェロン(IFN)は、HBV感染による病態に寄与すると考えられているが、そのメカニズムは不明である。

本研究では、B型肝炎表面抗原(HBs抗原)を発現するトランスジェニックマウス(HBs-Tgマウス)とHBVに感染したヒト肝細胞キメラマウスを用いて、IFNによる肝炎誘導メカニズムを解析した。これらマウスにIFNを投与すると肝障害が誘導され、肝障害の程度は肝臓内のHBs抗原の蓄積と相関していた。興味深いことに、肝臓内でのIFNシグナル誘導に伴い、小胞体ストレスを処理する不全タンパク質反応(UPR)が一過性に減少した。さらに、IFNシグナル誘導前にUPRを活性化すると、IFNによる肝障害が有意に軽減された。これらの結果は、IFNはUPRを抑制することにより、HBs抗原蓄積肝細胞を傷害することを示唆している。

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan