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High-throughput analysis of anti-poliovirus neutralization antibody titre in human serum by the pseudovirus neutralization test

Minetaro Arita and Masae Iwai-Itamochi

Scientific reports, 12:16074, 2022
https://doi.org/10.1038/s41598-022-20544-6

小児麻痺(ポリオ)流行に対する集団免疫を評価・維持するために、ポリオウイルスに対する中和抗体の保有率調査が行われています。近年ポリオウイルスの管理基準が厳格になり、感染性のウイルスを用いる従来の中和抗体価測定試験が制限されつつあり、新しい方法論が模索されています。  国立感染症研究所では、従来法の代替法として、感染性のウイルスを使わない中和試験法(疑似ウイルス法)を開発しています。疑似ウイルス法では、感染性のウイルスが産生されないため、ウイルスが新たに伝播するリスクがありません。しかし、多くの検体を測定するための条件の確立(ハイスループット化)が課題でした。

今回、国立感染症研究所と富山県衛生研究所との共同研究により、一日当たりおよそ300検体を測定が可能な疑似ウイルス法が確立されました。この成果は、厳格なウイルス管理条件の下で中和抗体保有率調査を継続できる見通しを与えるものと期待されます。

 

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan