国立感染症研究所

 

IASR-logo

高齢で発症し, 完全閉じ込め症候群を呈したボツリヌス症の一例

(IASR Vol. 44 p184-185: 2023年11月号)
 

ボツリヌス症はボツリヌス菌毒素により, 神経筋伝達が阻害されることで発症する麻痺性疾患であり, 病態により食餌性ボツリヌス症(ボツリヌス食中毒), 乳児ボツリヌス症, 創傷ボツリヌス症, 成人腸管定着ボツリヌス症に分類される1)。ボツリヌス症は全数の届出が義務付けられている感染症であるが, 届出報告は稀であり, しばしば医療機関においても行政機関においても対応が難しい。今回, 発症10日目に完全閉じ込め症候群(totally locked-in syndrome: TLS)を呈し, 発症から診断までに1カ月を要したボツリヌス症例を報告する2)

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan

Top Desktop version