国立感染症研究所

津田良夫 (昆虫医科学部)

 地震や津波、台風、洪水などの自然災害によって被害を受けた地域において、人の健康に害を及ぼす動物(衛生動物)としてどのような動物の発生が考えられるかを示すことは、被災地で不自由な生活を余儀なくされている方々の健康を守る上で重要です。

 我が国で起きた自然災害に際して、衛生動物の発生状況を詳細に記録した最近の事例としては、2011年3月に起きた東日本大震災の事例があります。この東日本大震災被災地で問題となったハエ類、ネズミ、蚊について被災直後の1年間に行われた現地調査の結果が、日本衛生動物学会機関誌、衛生動物63巻1号(2012年3月)に、特集として掲載されています。さらに、国立感染症研究所昆虫医科学部ではこの特集に掲載された論文に関連情報を加えて、「東日本大震災被災地における衛生害虫の発生状況調査と対策に関する記録」を作成し公開しています。

hyperlink 東日本大震災被災地における衛生害虫の発生状況調査と対策に関する記録

 東日本大震災被災地調査の研究では巨大津波による被害の実態調査と記録が主体になっていますが、地震によって破壊された住宅地や農耕地に形成された害虫発生源の画像、さらに避難所や応急仮設住宅で配布されたリーフレット「ハエ・蚊などから暮らしを守るためにいま、できること」には、熊本地震の被災地でも参考にしていただけることがあると思います。

 

緊急リーフレット(2011年7月22日)
避難所・応急仮設住宅等でお過ごしのみなさまへ
「ハエ,蚊などからくらしを守るためにいま,できること」
(7ページ版)


避難所・応急仮設住宅等でお過ごしのみなさまへ
「ハエ,蚊などからくらしを守るためにいま,できること」
(2ページ版)

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