(2014年04月01日 改訂) 咽頭結膜熱(pharyngoconjunctival fever, PCF)は発熱、咽頭炎、眼症状を主とする小児の急性ウイルス性感染症であり、数種の型のアデノウイルスによる。夏期(小規模だが冬期)に地域で流行することもあり、小規模アウトブレイクとしても、散発的にも発生する。 疫学 本疾患の原因であるアデノウイルスは、特に季節特異性が少なく年間を通じて分離...
アデノウイルスには51種類の血清型および52型以降の遺伝型(genotype)があり、A~Gの7種に分類される。 多くのアデノウイルスは、体内の潜伏期間が5~7日で、便や飛沫、直接接触により感染経する。感染した場合、扁桃腺やリンパ節の中で増殖する。種が多いため、何度も同様の病気になる場合がある。
***********************************近年のアデノウイルス感染症の現状を病原微生物検出情報: IASR: Infectious Agents Surveillance Reportにまとめました。ご参照ください。
⇒ IASR Vol. 38, No.7 (No. 449) July 2017
⇒ IASR Vol. 42, No.4 (No. 494) April 2021
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主として3型による。 1日の間に39~40度の高熱と、37~38度前後の微熱の間を、上がったり下がったりが4~5日ほど続き、扁桃腺が腫れ、のどの痛みを伴う。その間、頭痛、腹痛や下痢を伴い、耳介前部および頸部のリンパ節が腫れることがある。加えて、結膜炎症状がみられる場合、咽頭結膜熱と診断される。
飛沫や接触等で感染する。 両目または片目が真っ赤に充血し、目やにが出る。かつて夏にプール利用時の接触やタオルの貸し借り等で流行することがあったため、俗称としてプール熱とも呼ばれていた。 うがい、手洗いなどで、ある程度予防できる。(*コロナ渦で患者数が激減しており、新型コロナウイルスに対する予防策は、本感染症にも有効であった。) 咽頭結膜熱は学校保健安全法上の学校感染症の一つであり、主要症状がなくなった後、2日間登校禁止となる。
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