原文:http://www.who.int/influenza/human_animal_interface/faq_H7N9/en/index.html

(邦訳:IDSC)

1. インフルエンザA(H7N9)に関して何が心配なのでしょうか。

多くのインフルエンザウイルスは動物(豚、鳥、その他の種)のウイルスであり、通常は種の壁を超えません。今回の症例は、鳥のインフルエンザウイルスA(H7N9)が人に感染した最初の報告であり、今後の動向が心配されます。最新の情報は、Disease Outbreak Newsを参照ください。

 

2. 鳥のインフルエンザウイルスA(H7N9)は人から人へ感染しますか。

現時点では、確定症例やその接触者の間での人-人感染の証拠は確認されておりません。人-人感染の可能性も含めて、考えうるすべての感染源について現在調査中です。アウトブレイクの広がり、感染源、伝播様式、最善の治療法や必要な予防策・制御策について調査を進め、さらに、新たな症例の発生を把握できるように注意を怠らないことが重要です。

 

3.最近上海の川で発見された16000匹以上の豚の死骸は、この感染症と関連がありますか。

 

豚の死骸の調査は行われており、この感染症と明らかな関連は認められませんでした。

 

4. 一般市民が鳥のインフルエンザウイルスA(H7N9)感染症に罹るリスクはありますか。

 

現時点では、確定症例やその接触者の間での人-人感染の証拠は確認されておりません。中国国内外における鳥のインフルエンザウイルスA(H7N9)に一般市民が感染するリスクについては調査中です。新たな情報が得られ次第公表します。

 

5. どのような対策が取られていますか? WHOはどのようなサポートを提供していますか。

 

中国政府は、本事例に対応して以下のような対策を実施しています。

  • サーベイランスの強化
  • 患者管理と治療の強化
  • 疫学調査と濃厚接触者調査
  • 検査体制の強化
  • 医療従事者の訓練とガイドラインの発行
  • コミュニケーションの強化

本事例は、人におけるインフルエンザA(H7N9)の最初の報告です。他に例を見ないことから、WHOは深刻に受け止めています。現状をよりよく理解するため、WHOは政府当局と緊密に連携し、重要な新情報が得られた時には、情報共有を行っていきます。

 

6. どのようにすれば個人レベルで鳥のインフルエンザウイルスA(H7N9)の感染を防ぐことができますか。

 

インフルエンザA(H7N9)を含め、多くの感染症を防ぐためには、基本的な衛生行動と食品衛生管理を行うことがその前提条件となります。

  • 頻回の手指衛生、特に、食品を取り扱う間やその前後、食事前、トイレの後、動物やその排泄物を取り扱った後、手が汚れた時、また、家族の誰かが病気にかかっている場合には更に頻回に手洗いを行うこと。
  • 手指衛生は、医療機関においても、他の患者や医療従事者への感染を防ぐために必要です。病原体は手洗いにより物理的に取り除かれます。アルコールは消毒に用います(病原体を死滅させます)。
  • 咳やくしゃみの際には、ティッシューで口や鼻を覆うこと
  • 高病原性鳥インフルエンザウイルスが存在する可能性があるいかなる環境においては、ウイルスに汚染された手指により、鼻、口、結膜にウイルスが運ばれる可能性を防ぐため、手洗いや速乾式刷り込みアルコール製剤の使用を含む手指衛生が重要です。

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan