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鳥インフルエンザA(H7N9)患者搬送における感染対策

2013年7月16日

国立感染症研究所

 

目的

 鳥インフルエンザA(H7N9)患者(疑似症患者を含む)は感染症指定医療機関へ搬送されることが想定される。一般医療機関において、鳥インフルエンザA(H7N9)患者が発生した場合、又はそのような医療機関に患者が直接来院した場合等には、車両等による患者搬送が行われる。患者搬送においては、感染源への曝露に関する搬送従事者の安全確保と、搬送患者の人権尊重や不安の解消の両面に立った感染対策を行うことが重要である。
基本的な考え方は、搬送従事者が、標準予防策・ 接触感染対策・飛沫感染対策・空気感染対策を必要に応じて適切に実施し、患者に対して過度な隔離対策をとらないように適切に判断することである。
※指定感染症である鳥インフルエンザA(H7N9)は原則感染症指定医療機関へ搬送する。

1)鳥インフルエンザA(H7N9)患者(疑似症患者を含む)

2)搬送従事者

3)搬送に使用する車両等(船舶や航空機も含む)

4)その他

 

謝辞)本稿作成にあたっては、東北大学大学院医学系研究科 感染制御・検査診断学分野及び同感染症診療地域連携講座にご協力をいただいた。

 


付表1   患者搬送に必要な器材(注1)

サージカルマスク 適宜(搬送従事者用、搬送患者用)
N95マスク 搬送従事者の数 ×2 (注2)
手袋 1箱
フェイスシールド(またはゴーグル)、ガウン 搬送従事者数 ×2 (注2)
手指消毒用アルコール製剤 1個
清拭用資材・環境用の消毒剤 タオル、ガーゼ等で使い捨てできるものを用意

感染性廃棄物処理容器

その他、ビニールシート等

注1: ただし、本付表は、車両による搬送を想定したものであり、船舶や航空機等を使用する場合は適宜修正して用いる必要がある。
注2:N95マスク、フェイスシールド(またはゴーグル)、ガウンは、予備も含め搬送従事者あたり2つずつ準備する。

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