国立感染症研究所

SARS、MERS、COVID-19を含むコロナウイルス感染症に関する記事がWebサイト全体から集められて表示されます。

 

国立感染症研究所
(掲載日:2022年1月20日)

2022年1月12日現在、国内ではファイザー製、武田/モデルナ製、アストラゼネカ製の新型コロナワクチン(以下、ワクチン)が使用されています。ファイザー製と武田/モデルナ製の接種対象は12歳以上で、アストラゼネカ製の接種対象は原則40歳以上です。

また、2021年12月1日から18歳以上の者を対象として、ファイザー製ワクチンによる追加接種(3回目接種)が始まり、2021年12月17日からは、武田/モデルナ製ワクチンも追加接種(3回目接種)可能となりました。2回目接種と3回目接種の接種間隔は下記に示すとおりです(表1)。

表1  2回目接種と3回目接種の接種間隔
対象 2022年1月 2022年2月 2022年3月以降
医療従事者等や高齢者施設等の入所者等 6か月 6か月 6か月
その他の高齢者 8か月 7か月 6か月
(前月より1か月短縮)
64歳以下 8か月 8か月 7か月

※ なお、自治体によっては上記スケジュールから前倒しになることがあります。

初回接種(1回目・2回目接種)で使用したワクチンとは異なる種類のワクチン(ファイザー製、武田/モデルナ製)で追加接種すること(交互接種)も可能です。なお、武田/モデルナ製ワクチンによる追加接種は、初回接種の半量で実施する必要があるため注意が必要です(初回接種:1回0.5mL、追加接種:1回0.25mL)。

米国では2021年10月29日、5~11歳の小児に対するファイザー製ワクチン(以下、小児用ファイザー製ワクチン)の緊急使用許可( Emergency Use Authorization:EUA )が承認されました。2021年11月2日に開催された予防接種の実施に関する諮問委員会(Advisory Committee on Immunization Practices:ACIP)で5~11歳への接種推奨が決まり、11月3日~12月19日までに約870万回の接種が実施されました(1)。国内では2021年11 月 10 日に小児用ファイザー製ワクチンの薬事申請がなされ、現在審査中ですが、各自治体で接種開始に向けた準備が進められています。なお、小児用ファイザー製ワクチンは12歳以上用とは生理食塩水での希釈量 (小児用:1.3mL、12歳以上用:1.8mL)、1回接種量(小児用0.2mL、12歳以上用0.3mL)、1バイアルの接種可能人数(小児用10人分、12歳以上用6人分)、保存及び移送方法が異なるため、別の種類のワクチンとして区別して扱う必要があります(2)。

2022年1月14日現在の国内での総接種回数は2億178万6,647回で、このうち高齢者( 65歳以上 )は6,601万8,696回、職域接種は1,933万3,787回でした。2022年1月14日時点の1回以上接種率は全人口(1億2,664万5,025人)の79.9%、2回接種完了率は78.6%、3回接種完了率は0.9%で、高齢者の1回以上接種率は、65歳以上人口(3,548万6,339 人)の92.5%、2回接種完了率は92.1%でした。

2022年1月11日公表時点の年代別接種回数別被接種者数と接種率/接種完了率( 図1 )を示します。また、新規感染者数と累積接種割合についてまとめました( 図2 )。

図1 年代別接種回数別被接種者数・接種率/接種完了率(首相官邸ホームページ公表数値より作図):2022年 1月 11日公表時点

注)接種率は、VRSへ報告された、一般接種(高齢者を含む)と先行接種対象者(接種券付き予診票で接種を行った優先接種者)の合計回数が使用されており、使用回数には、首相官邸HPで公表している総接種回数のうち、職域接種及び先行接種対象者のVRS未入力分である約1000万回分程度が含まれておらず、年齢が不明なものは計上されていません。また、年齢階級別人口は、総務省が公表している「令和3年住民基本台帳年齢階級別人口(市区町村別)」のうち、各市区町村の性別及び年代階級の数字を集計したものが利用されており、その際、12歳~14歳人口は10歳~14歳人口を5分の3したものが使用されています。

図2 日本_新規感染者数と累積接種割合の推移 [データ範囲:2020年1月22日~2022年1月10日]
下記データより作図.
Roser M, Ritchie H, Ortiz-Ospina E and Hasell J. (2020) - "Coronavirus Pandemic (COVID-19)". Published online at OurWorldInData.org. Retrieved from: 'https://ourworldindata.org/coronavirus' [Online Resource](閲覧日2022年1月12日)

参考文献

  1. Hause AM, et al. COVID-19 Vaccine Safety in Children Aged 5–11 Years — United States, November 3–December 19, 2021.MMWR Weekly. 70(5152);1755–1760, 2021.
  2. 厚生労働省健康局健康課予防接種室(2021年11月16日事務連絡). 5歳以上11歳以下の者への新型コロナワクチン接種に向けた接種体制の準備について. https://www.mhlw.go.jp/content/000856528.pdf(閲覧日2022年1月12日)

今回は、下記の内容について、最近のトピックスをまとめました。

【本項の内容】

  • 海外のワクチン接種の進捗と感染状況の推移・・・・・・・・・ 4
  • 懸念される変異株(VOCs)に対するワクチン有効性について・・・11
  • 交互接種(初回シリーズで使用したワクチンと異なる種類のワクチンによる追加接種)について・・・・16
  • 小児に対するワクチン接種について(更新情報)・・・・・・・・18

 

新型コロナワクチンについて(2022年1月14日現在)

掲載日:2022年1月21日

第68回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年1月20日、厚生労働省)の報告による、我が国における新型コロナウイルス感染症の状況等についてお知らせいたします(第68回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード 資料1)。

英語版

感染状況について

全国の新規感染者数(報告日別)は、今週先週比は3.6と急速な増加が続き、直近の1週間では10万人あたり約147となっている。新規感染者は20代を中心に増加している。まん延防止等重点措置が適用されている沖縄県、山口県及び広島県を始め、東京都や大阪府など関東や関西地方などの都市部のみならず、その他の地域でも新規感染者数の急速な増加が継続している。また、全国で新規感染者数が急速に増加していることに伴い、療養者数が急増し、重症者数も増加している。

オミクロン株のいわゆる市中感染が拡大しており、多くの地域でオミクロン株への急速な置き換わりが進んでいるが、引き続き、デルタ株も検出されている。

実効再生産数:
全国的には、直近(1/3)で1.43と1を上回る水準となっており、首都圏では1.45、関西圏では1.42となっている。

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan

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