国立感染症研究所

SARS、MERS、COVID-19を含むコロナウイルス感染症に関する記事がWebサイト全体から集められて表示されます。

 

国立感染症研究所
(掲載日:2021年12月17日)

2021年12月16日現在、国内ではファイザー製、武田/モデルナ製、アストラゼネカ製の新型コロナワクチン( 以下、ワクチン )が使用されています。ファイザー製と武田/モデルナ製の接種対象は12歳以上で、アストラゼネカ製の接種対象は原則40歳以上です。また、12月1日(本項で年の記載がないものは2021年とみなします)から18歳以上の者を対象として、2回接種後6か月以上の間隔をあけて、原則8か月以上の間隔でファイザー製ワクチンによる追加接種(3回目接種)が始まりました。12月16日には武田/モデルナ製のワクチンも、初回免疫に使用されている半量での追加接種(3回目接種)が特例承認されました。米国では11月2日に開催された予防接種の実施に関する諮問委員会(Advisory Committee on Immunization Practices:ACIP)で、5~11歳の小児に対するファイザー製ワクチンの接種推奨が決まりましたが(1)、国内ではまだ12歳未満の小児に接種可能なワクチンはありません。

12月16日現在の国内での総接種回数は1億9,841万9,971回で、このうち高齢者( 65歳以上 )は6,566万1,131回、職域接種は1,931万5,219回でした。12月16日時点の1回以上接種率は全人口(1億2,664万5,025人)の79.0%、2回接種完了率は77.5%、3回接種完了者は0.1%(117,735人)で、高齢者の1回以上接種率は、65歳以上人口(3,548万6,339 人)の92.0%、2回接種完了率は91.6%でした。12月13日公表時点の年代別接種回数別被接種者数と接種率/接種完了率( 図1 )を示します。また、新規感染者数と累積接種割合についてまとめました( 図2 )。

図1 年代別接種回数別被接種者数・接種率/接種完了率(首相官邸ホームページ公表数値より作図):2021年12月13日公表時点

注)接種率は、VRSへ報告された、一般接種(高齢者を含む)と先行接種対象者(接種券付き予診票で接種を行った優先接種者)の合計回数が使用されており、使用回数には、首相官邸HPで公表している総接種回数のうち、職域接種及び先行接種対象者のVRS未入力分である約1000万回分程度が含まれておらず、年齢が不明なものは計上されていません。また、年齢階級別人口は、総務省が公表している「令和3年住民基本台帳年齢階級別人口(市区町村別)」のうち、各市区町村の性別及び年代階級の数字を集計したものが利用されており、その際、12歳~14歳人口は10歳~14歳人口を5分の3したものが使用されています。

図2 日本_新規感染者数と累積接種割合の推移 [データ範囲:2020年1月22日~2021年12月6日]下記データより作図.Roser M, Ritchie H, Ortiz-Ospina E and Hasell J. (2020) - "Coronavirus Pandemic (COVID-19)". Published online at OurWorldInData.org. Retrieved from: 'https://ourworldindata.org/coronavirus' [Online Resource](閲覧日2021年12月8日)

参考文献

  1. 米国Centers for Disease Control and Prevention (CDC):Advisory Committee on Immunization Practices (ACIP). https://www.cdc.gov/vaccines/acip/index.html(閲覧日2021年12月10日)

  

今回は、下記の内容について、最近のトピックスをまとめました。

【本項の内容】
  • 海外のワクチン接種の進捗と感染状況の推移・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
  • 懸念される変異株(VOCs)に対するワクチン有効性について・・・・・・・・・・・・ 9
  • オミクロン株に対するワクチン効果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
  • 小児(5~11歳)に対するワクチン接種について・・・・・・・・・・・・・・・・・・16
  • ワクチンの追加接種について―更新情報・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19

新型コロナワクチンについて(2021年12月16日現在)

 

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新型コロナワクチン接種後に新型コロナウイルス感染症と診断された症例に関する積極的疫学調査(第二報)

(速報掲載日 2021/12/17) (IASR Vol. 43 p15-18: 2022年1月号)
 

 国立感染症研究所(感染研)では、感染症法第15条の規定に基づいた積極的疫学調査として、新型コロナワクチン接種後に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と検査診断された症例(ワクチン接種後感染症例)に関する調査を行っている。2021年7月にこの第一報を報告した1)が、今回は続報としてその後の進捗を報告する。なお、前回同様、本調査では、ワクチンの有効性やワクチン接種後感染の発生割合については評価していない。また、この報告された症例の一部においては、診察した医師からの求めに応じて感染研で血清抗体検査を実施しており、これを後ろ向きにまとめた研究の暫定結果はIASRの別の記事で報告している2)

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