国立感染症研究所

SARS、MERS、COVID-19を含むコロナウイルス感染症に関する記事がWebサイト全体から集められて表示されます。

 

掲載日:2021年3月18日

第27回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和3年3月17日、厚生労働省)の報告による、我が国における新型コロナウイルス感染症の状況等についてお知らせいたします(第27回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード 資料1)。

英語版

直近の感染状況等

全国の新規感染者数は、報告日ベースでは、1月中旬以降(発症日ベースでは、1月上旬以降)減少が継続していたが、3月上旬以降横ばいから微増が続き、直近の1週間では10万人あたり約6人となっており、リバウンドを起こさず、改めて減少傾向としていくことが必要。

実効再生産数:
全国的には、1月上旬以降1を下回っていたが、直近では、1.04となっている(2月28日時点)。1都3県、愛知・岐阜では1を下回っているが、大阪・兵庫・京都、福岡では1を上回る水準となっている。(2月28日時点)

 

国立感染症研究所
2021年3月12日

英語版

  • 国立感染症研究所は、2月25日にフィリピンから入国した者から501Y.V2株、501Y.V3株と同様にE484K, N501Yの変異を有するB.1.1.28系統株(系統名称未確定)を検出した(ウイルス名: hCoV-19/Japan/IC-0824/2021, GISAIDアクセスID: EPI_ISL_1198832) 。 •
  • また、当該株には、VOC-202012/01株と同様にP681Hの変異が見られた。P681H変異は感染力に関与すると推定される。
  • 以上のことから、これまでVOC(懸念される変異株)と総称してきたVOC-202012/01、501Y.V2株、501Y.V3株と同程度の脅威と考えられる。
  • 本系統株は、フィリピンからGISAIDに34株が登録されている(1株は2/26、ほか33株は3/3に登録)(※)。 ※フィリピン保健省の発表(3/2)によると、E484K,N501Y変異をともに有する症例34例を報告しており、これが本系統株と想定される(1)。
  • フィリピンでの本系統株のまん延状況は不明であり、最近のフィリピンにおける新規感染者の増加との関連が実証されたわけではない。WHO暫定定義におけるVOC(懸念される変異株)にはあてはまらないものの、フィリピン国内で当該株は検出され始めており、当地で一定程度まん延している可能性を踏まえ感染拡大の程度を注視する必要がある。
  • 今後、フィリピンにおける感染拡大の状況を踏まえ、水際対策の強化を早急に検討するべきである。
  • 変異株であっても、個人の基本的な感染予防策は、従来と同様に、3密の回避、マスクの着用、手洗いなどが推奨される。

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan

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