国立感染症研究所

新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 関連情報ページ

第20回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和3年1月6日、厚生労働省)の報告による、我が国における新型コロナウイルス感染症の状況等についてお知らせいたします(第20回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード資料4)。

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直近の感染状況の評価等

感染状況について

・全国の新規感染者数は、東京を中心とした首都圏(1都3県)で年末にかけてさらに増加したことに伴い、増加傾向が続き、過去最多の水準となっている。
実効再生産数:全国的には1を上回る水準が続いている (12月19日時点)。東京等首都圏、愛知などで1週間平均で1を超える水準となっている(12月21日時点)。

・年末年始も含め、首都圏、中部圏、関西圏では多数の新規感染者が発生しており、入院者数、重症者数、死亡者数の増加傾向が続いている。対応を続けている保健所や医療機関の職員はすでに相当に疲弊している。入院調整に困難をきたす事例や通常の医療を行う病床の転用が求められる事例など通常医療への影響も見られており、各地で迅速な発生時対応や新型コロナの診療と通常の医療との両立が困難な状況の拡大が懸念される。また、入院調整が難しい中で、高齢者施設等でのクラスターの発生に伴い、施設内で入院の待機を余儀なくされるケースも生じている。

・英国、南アフリカで増加がみられる新規変異株は、世界各地で検出されている。国内では、海外渡航歴のある症例又はその接触者からのみ検出されている。従来株と比較して感染性が高い可能性を鑑みると、国内で持続的に感染した場合には、現状より急速に拡大するリスクがある。

国立感染症研究所
2021年1月10日

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英語版

 

要約

  • 感染性の増加が懸念される変異株と共通する変異を一部に有する新たな変異株が、ブラジルからの帰国者から検出された。
  • 当該変異株については遺伝子の配列に関する情報に限られており、感染性や病原性、検査法やワクチンへの影響等は現時点では判断が困難。
  • 当該変異株の感染者は個室での管理下におき、感染源、濃厚接触者の追跡と管理、臨床経過等を含めた積極的疫学調査を行うことが望ましい。
  • 変異株であっても、個人の基本的な感染予防策は、従来と同様に、3密の回避、マスクの着用、手洗いなどが推奨される。

 新型コロナウイルス感染症患者に対する積極的疫学調査実施要領(2021年1月8日暫定版)(1月14日再掲載*)

 調査票(案)(2021年1月8日更新)

 

*1月8日に掲載したPDFファイルに誤りがありましたので、下記の通り訂正しました。

 P5 下から2行目
 (誤)積極的疫学調査を補助する手段   ↓  (正)積極的疫学調査を補完する手段

 

【更新履歴】

2020年5月29日  新型コロナウイルス感染症患者に対する積極的疫学調査実施要領(2020年5月29日暫定版)

 調査票(案)(2020年4月20日更新)

2020年4月27日 積極的疫学調査実施要領における濃厚接触者の定義変更等に関するQ&A
2020年4月20日  新型コロナウイルス感染症患者に対する積極的疫学調査実施要領(2020年4月20日暫定版)

 調査票(案)(2020年4月20日更新)

 

 国立感染症研究所で分離されたSARS-CoV-2新規変異株(VOC-202012/01)を試験研究に利用する研究機関等へ分与することといたしました。

分与は、感染研病原体等安全管理規程による「病原体等の分与等に関する取扱要領」に書かれた手続きに従って行います。

注)本ウイルスは四種病原体です。本ウイルスの取扱いについてはBSL3/ABSL3施設が必要となります。

 

【病原体分与手続きについて】

国立感染症研究所ホームページの以下の記事をご参照ください。

病原体分与に関する手続きについて(https://www.niid.go.jp/niid/ja/lab/481-biosafe/7155-bunyo-shogai17.html)

 

【病原体の分与担当研究者】

ウイルス第一部 部長 西條政幸

メール:This email address is being protected from spambots. You need JavaScript enabled to view it.

問い合わせ担当:ウイルス第一部第三室 伊藤睦代

電話:03-5285-1111(内線2531)

 

【事務担当】

総務部調整課研究支援係

電話:03-5285-1111(内線2040,2052)

メール:This email address is being protected from spambots. You need JavaScript enabled to view it.

 

 

国立感染症研究所
2021年1月2日15:00時点

PDF版

 

要約

  • SARS-CoV-2新規変異株VOC-202012/01と501Y.V2について、感染性の増加が懸念されている。
  • VOC-202012/01は英国で増加を認め、各種の解析からも従来の流行株よりも感染性が増していることが示唆されているが、重篤な症状との関連は調査中である。また、世界各地で検出されつつある。
  • 501Y.V2は、南アフリカで増加を認め、流行株における501Y.V2の占める割合が増加しているが、感染性の増加や重篤な症状との関連は調査中である。英国、スイス、フィンランドでも検出されている。
  • 国内では、2020年12月25日以降、英国や南アフリカ、アラブ首長国連邦を含む渡航歴がある者またはこれらの接触者から両変異株が検出されている。国内症例・検疫症例のウイルス遺伝子変異については継続して監視中である。
  • 感染拡大とVOC-202012/01または501Y.V2の増加に関連性が認められる国・地域へ渡航歴のある者等の管理体制を強化するとともに、変異株の監視と情報収集を継続することを推奨。

第19回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和2年12月22日、厚生労働省)の報告による、我が国における新型コロナウイルス感染症の状況等についてお知らせいたします(第19回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード資料4)。

英語版はこちら

直近の感染状況等

感染状況について

・全国の新規感染者数は、増加が続き、過去最多の水準。首都圏では東京を中心に増加が続いており、関西圏、中部圏では、明らかな減少は見られない。また、大都市圏の感染拡大が波及することにより、新たな地域での感染拡大の動きも続き、全国的に感染が拡大している。
 実効再生産数:全国的には1を上回る水準となっている (12月6日時点)。東京等首都圏、愛知、京都、大阪、兵庫などで1週間平均で1を超える水準となっている(12月6日時点)。

・11月以降の対策にもかかわらず、関東圏、中部圏、関西圏では新規感染者数の明らかな減少が見られていない。これに伴い、入院者数、重症者数、死亡者数の増加が続いている。対応を続けている保健所や医療機関の職員はすでに相当に疲弊している。予定された手術や救急の受入等の制限や、病床を確保するための転院、認知症や透析の必要がある方など入院調整に困難をきたす事例など通常医療への影響も見られており、医療提供体制等が相対的に弱まる年末年始が迫る中、各地で迅速な発生時対応や新型コロナの診療と通常の医療との両立が困難な状況が懸念される。

・英国で、最近の流行の主な系統となった変異株については、ECDC等からは、重症化を示唆するデータは認めない一方、感染性が高いとの指摘がなされており、医療への負荷が危惧される。この変異株については、これまでのところ国内では確認されていないが、輸入リスクについて留意が必要である。

国立感染症研究所
2020年12月28日14:00時点

PDF版

 

要約

  • SARS-CoV-2新規変異株VOC-202012/01と501Y.V2について、感染性の増加が懸念されている。
  • VOC-202012/01は英国で増加を認め、各種の解析からも従来の流行株よりも感染性が増していることが示唆されているが、重篤な症状との関連は不明である。
  • 501Y.V2は、南アフリカで増加を認め、流行株における501Y.V2の占める割合が増加しているが、感染性の増加や重篤な症状との関連は不明である。
  • 国内ではこれまで変異株が検出されていなかったが、12月25日以降、英国に渡航歴のある複数名とこの濃厚接触者からVOC-202012/01が検出され管理下に置かれている。国内症例・検疫症例のウイルス遺伝子変異については継続して監視中である。
  • 感染拡大とVOC-202012/01または501Y.V2の増加に関連性が認められる国・地域へ渡航歴のある者等の管理体制を強化するとともに、変異株の監視と情報収集を継続することを推奨。

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新宿区繁華街におけるいわゆる「接待を伴う飲食店」における新型コロナウイルス感染症の感染リスクに関する調査研究(中間報告)

(速報掲載日 2020/12/28)
 
はじめに

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行ではいわゆる「接待を伴う飲食店等」(https://corona.go.jp/news/pdf/settai_insyokuten_kaisyaku_0604.pdf)における患者発生やクラスター発生を認めた(https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/2487-idsc/idwr-topic/9824-idwrc-203132.html)。これらの感染の規模や従業員等が感染するリスクを知ることは、経済的・社会的活動と流行抑制を両立させるために重要である。そこで本調査研究では、接待を伴う飲食店(ホストクラブ)を中心にインタビューやアンケート、店舗観察による疫学情報に加え、ウイルス検査・抗体検査による感染の情報を組み合わせ、感染リスクの高いと思われる集団における現状を明らかにすることを目的とした。

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COVID-19レジストリデータを用いた新型コロナウイルス感染症における年齢別症例致命割合について

(速報掲載日 2020/12/28)
 
はじめに

 新興感染症である新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の臨床経過・臨床像に関する情報を、可能な限り速やかに把握し、公衆衛生の現場、医療現場に直接に還元していくことは、喫緊の課題である。そこで、COVID-19に関するレジストリ研究(COVID-19 REGISTRY JAPAN:https://covid-registry.ncgm.go.jp/)は、日本国内の医療機関に入院したCOVID-19の患者情報を悉皆的に登録、データベース化し、解析することで、COVID-19の臨床像や治療薬候補の効果等に関する様々な点について明らかにすることを目的として立ち上げられた。

国立感染症研究所
2020年12月25日20:00時点

PDF版

 

22:00時点の追記:12月25日21時、厚労省より、検疫により確認された新型コロナウイルスの患者等について、英国において報告された変異した新型コロナウイルス感染症(変異株)が検出されたとの報告があった。次回報告でこの事象を含めたリスク評価を更新する。

 

感染性の増加が懸念されるSARS-CoV-2新規変異株VOC-202012/01と501Y.V2について報告する。

概況(VOC-202012/01)

  • 英国では、過去数週間にわたって、ロンドンを含むイングランド南東部で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)症例の急速な増加に直面しており、疫学的およびウイルス学的調査を強化してきた(1)。そして、イングランド南東部で増加しているCOVID-19症例の多くが、新しい単一の系統に属していることが確認された(1,2)。
  • Nextstrain clade 20B、GISAID clade GR、B.1.1.7系統に属するこの新規変異株は、Variant Under Investigation (VUI)-202012/01と命名されていたが、12月18日リスクアセスメントの結果、Variant of Concern (VOC)- 202012/01に変更となった(1, 3)。
  • VOC-202012/01には、23箇所の変異があり、スパイクタンパクの変異(deletion 69-70、deletion 144、N501Y、A570D、D614G、P681H、T716I、S982A、D1118H)とその他の部位の変異で定義される(1,3)。
  • 英国でのウイルスゲノム解析・疫学・モデリング解析では、この新規変異株(VOC-202012/01)はいままでの流行株よりも感染性が高い(再生産数(R)を0.4以上増加させ、伝播のしやすさ(transmissibility)を最大70%増加すると推定)ことが示唆され、PCR法による核酸検査やウイルスゲノム解析から推定されるウイルス量は、増加していることが示唆されている(1,4)。
  • また、VOC-202012/01の変異の一つ、S遺伝子deletion 69-70により、S遺伝子を検出するPCRによっては、結果が偽陰性となるspike gene target failure (SGTF)を認めている(3)。英国の3カ所の検査施設において、SGTF を認める検体が急増するとともに、10月12日の週にはSGTFを認める変異株のうちB.1.1.7に属するものが5%であったが、11月30日にはこの頻度が96%と急増していた(3)。次に記載の南アフリカの新規変異株(501Y.V2)は、S遺伝子deletion 69-70を認めていないため、VOC-202012/01と同様の方法で検知できるのか現時点では不明である(5)。
  • スパイクタンパクの多くの変異数、英国でのウイルスゲノム解析が行われる割合(5-10%)、その他の新規変異株の特徴からは、この株は免疫抑制者等において一人の患者での長期的な感染で、免疫回避による変異の蓄積が加速度的に起こった結果である仮説が考えられる(1)。一方で、ヒトから動物、動物からヒトに感染し変異した可能性やウイルスゲノム解析が(あまり)行われていない国において流行する中で、探知されないまま、徐々に変異が蓄積した可能性は否定的である(1)。
  • VOC-202012/01は、デンマーク(9例)、オランダ(1例)、ベルギー(4例、メディア情報) 、オーストラリア(4例)、アイスランド、イタリアで確認されている(1,2, 6)。なお、各国の病原体サーベイランス体制やゲノム解析能力の差異により、検知能力が異なることに留意すること。ECDCは、「EUのほとんどの国では、ウイルスゲノム解析が行われている例が英国よりも少ないため(英国では全症例の約5~10%で実施)、この新規変異株がすでにEU内で流行している可能性は否定できない」としている(1)。
  • シンガポール(保健省)(7)、香港(メディア情報)、ドイツ(メディア情報)でもVOC-202012/01の検出が報告されているが、検疫中の英国からの帰国者からの検出であり、国内流行との関連は認めていない。
  • 現時点では、VOC-202012/01に関連した重症化を示唆するデータは認めないが、症例の大部分が重症化の可能性が低い60歳未満の人々(地域で流行している年齢層を反映)であり、評価に注意が必要である(1)。
  • 現時点では、VOC-202012/01のワクチンの有効性への影響は不明である(1-3)。

概況(501Y.V2)

  • 12月18日、南アフリカ保健省はCOVID-19患者の急増と新規変異株( 501Y.V2と命名)の割合が80~90%に増加していることを報告(8,9)。
  • 501Y.V2は、レセプター結合部位として重要な3箇所(K417N, E484K, N501Y)の変異を含む、スパイクタンパクの8箇所の変異で定義される(5,7,8)。英国で検出されたVUI-202012/01と同様のN501Yを認めるが、系統としては進化的関連を認めない(Nextstrain clade 20C、GISAID clade GH、B.1.351系統に属する)(5,8,9)。 
  • 感染性が増加している可能性が示唆されているが、精査が必要である(8,9)。より重篤な症状を引き起こす可能性やワクチンの効果への影響を示唆する証拠はない(8,9)。
  • 12月23日、英国は、南アフリカからの渡航者との接触歴がある501Y.V2の2例を報告(10)。

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan

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