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第10回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和2年10月13日、厚生労働省)の報告による、我が国における新型コロナウイルス感染症の状況等についてお知らせいたします(第10回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード資料3)。

英語版はこちら

直近の感染状況等

〇新規感染者数の動向

  • 新規感染者数は、4連休後の9月末頃より増加のみられる地域がある。また、散発的なクラスターの発生など、地域によっては様々な動きがあり、今後の感染拡大の動向に留意が必要。
  • とりわけ、8月最終週以降、東京、大阪、北海道、沖縄の実効再生産数は1をはさんで前後しており、全国的にみても直近で1を上回る水準となっており、留意が必要。
    ・人口10万人当たりの1週間の累積感染者数(9/28~10/4、10/5~11)
    全国( (2.78人(3,507人↑)、2.84人(3,589人↑))、東京都 (8.84人(1,230人↑)、8.84人(1,231人↑))、愛知県 (1.95人(147人↓)、1.35人(102人↓))、大阪府 (4.14人(365人↓)、3.94人(347人↓))、福岡県 (0.59人(30人↑)、0.92人(47人↑))、沖縄県(11.08人(161人↑)、10.53人(153人↓))
    ・感染経路が特定できない症例の割合(9/26~10/2) 全国 49.4%(前週差0.8%ポイント↓)、東京都 53.8%(1.8%ポイント↑)

〇入院患者数の動向(※)

  • 入院者数は減少傾向となっている。受入確保病床に対する割合(括弧内)も同様だが、一部地域ではやや高水準となっている。
    ・入院者数(10/7):全国 2,979人↓(11.2%)、東京都 996人↓(24.9%)、愛知県 108人↓(13.7%)、 大阪府 239人↓(17.9%)、福岡県 45人↓(9.2%)、沖縄県 156人↑(36.3%)
  • 重症者数は、8月下旬以降減少傾向となっていたが、直近では先週と同水準であり、下げ止まりの状況となっている。
    ・重症者数(10/7):全国 296人↑(8.7%))、東京都 128人↑(25.6%)、愛知県 12人↓(17.1%)、大阪府37人↓(11.1%)、福岡県 6人↓(10.0%)、沖縄県 28人↑(49.1%)

〇検査体制

  • 検査件数に変動はあるが、直近の検査件数に対する陽性者の割合は2.6%であり、緊急事態宣言時(4/6~4/12の8.8%)と比較すると引き続き低位である。
    ・検査数(9/21~9/27、9/28~10/4):全国 (101,820件↓、133,770 件↑)、東京都 (28,525件↓、38,758件↑)、愛知県 (3,861件↓、4,265件↑)、大阪府(9,280件↓、10,353件↑)、沖縄県 (1,164件↓、2,026件↑)
    ・陽性者の割合( 9/21~9/27、9/28~10/4 ) :全国 (2.9%(前週差0.1%ポイント↑)2.6%(0.3%ポイント↓)、東京都 (3.7%(0.2%ポイント↑、3.2%(0.5%ポイント↓))、愛知県 ((4.8%(0.1%ポイント↓)、3.4%(1.4%ポイント↓))、大阪府(4.2%(0.4%ポイント↓)、3.5%(0.7ポイント↓))、沖縄県 (6.7%(3.0%ポイント↑)、8.0%(1.3%ポイント↑))

※ 「入院患者数の動向」は、厚生労働省「新型コロナウイルス感染症患者の療養状況、病床数等に関する調査」による。この調査では、記載日の0時時点で調査・公表している。   重症者数については、8月14日公表分以前とは対象者の基準が異なる。↑は前週と比べ増加、↓は減少を意味する。

直近の感染状況の評価等

<感染状況について>

  • 新規感染者数は、4連休後の9月末に増加がみられる地域もある。また、散発的なクラスターの発生など、地域によっては様々な動きがあり、今後の感染拡大の動向に留意が必要である。
  • とりわけ、8月最終週以降、東京、大阪、北海道、沖縄の実効再生産数は1をはさんで前後しており、全国的にみても直近で1を上回る水準となっており、留意が必要である。
  • 社会活動が活性化する中で、会食や職場などを介した感染が生じており、人の移動の増加が見込まれる中で、全国的な感染拡大につながるような兆候を早期に探知して対応することが求められる。
  • また、感染者数に占める中高年層の割合は、6月~7月と比較すると引き続き高い水準で推移していることに加え、7月~8月と比べ、40代~50代の割合が上昇しており、留意を要する状況である。一方、重症者数は、8月下旬以降減少傾向となっていたが、直近では先週と同水準であり、下げ止まりの状況となっている。

<今後の対応について>

  • これまで国内で感染拡大のきっかけとなってきた接待を伴う飲食店などのリスクの高い場における積極的な対応を継続していくとともに、クラスターが生じている会食や職場等での感染予防対策の再確認・徹底が必要がある。
  • また、イベントや旅行の増加、大学での授業再開などで人の動きや対面での社会活動の活性化が見込まれる中で、改めて、「3密」や大声を上げる環境の回避、室内でのマスクの着用、フィジカル・ディスタンスの徹底、換気の徹底など、基本的な感染予防対策の実施を徹底することが重要である。
  • 一方で、大都市圏に留まらず、地方都市における歓楽街でのクラスターや共同生活など特定の生活習慣を有するコミュニティなどでクラスターが生じるなど、クラスターの態様が多様化しつつあることにも留意が必要である。これまでと異なる場が感染拡大のきっかけになる可能性もあり、対象者の特性に応じた適切な情報提供や感染拡大の端緒となり得る大規模クラスターやクラスター連鎖への早期かつ適切な対応ができる体制を整備していくことが求められる。
  • また、世界的には、週に200万人を超える新規感染者数が続いており、とりわけ欧州などで顕著な感染拡大が見られる。海外との往来が徐々に再開しつつある中、検疫等の適切な対応にも留意が必要である。
  • 併せて、院内・高齢者施設における施設内感染対策により重症者・死亡者を抑えていくとともに、クラスターが起きた場合の早期対応など、これからも必要な対策を継続すべきである。                            

 

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan