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第12回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和2年10月28日、厚生労働省)の報告による、我が国における新型コロナウイルス感染症の状況等についてお知らせいたします(第12回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード資料3)。

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直近の感染状況等

〇新規感染者数の動向

  • 新規感染者数は、全国的に見ると、 8月第1週をピークとして減少が続いた後、ほぼ横ばいであったが10月以降微増傾向がつづいている。特に、北海道や東北・北関東の一部、沖縄などを中心に増加がみられる。その背景としては、首都圏で感染が減少の動きとならないことや、クラスターの発生等で感染者の増加が見られる地域があることが考えられる。また、人の移動が活発化していることにも留意が必要である。
    実効再生産数:東京、大阪、北海道、沖縄などで1をはさんで前後しており、直近1週間の平均は1を超える地域が多い。全国的には、1をわずかに超える水準が続いている。
  • 感染拡大の原因となるクラスターについては、地方都市の歓楽街に加え、会食や職場及び外国人コミュニティーなどにおける事例など多様化や地域への広がりがみられる。
  • 増加が見られる地域や感染が下げ止まっている地域、地方都市におけるクラスターの発生などがあり、適切な対応をとらなければ、増加要因と減少要因のバランスが崩れてもおかしくなく、今後の感染の動向に注視が必要である。

<今後の対応について>

  • 感染が拡大している地域や拡大の兆しがみられる地域では、クラスター発生の要因を分析し、早急な対応が必要。特に、感染拡大に対応可能な医療体制及び療養体制等を準備するとともに、院内・施設内感染の拡大防止のための取組が必要である。
  • 感染拡大の原因となるクラスターについては、これまで把握されているリスクの高い場における対応を継続していくとともに、これまでと異なる場が感染拡大の端緒となる可能性もあり、対象者の特性に応じた情報提供(特に、日本語以外の言語や生活習慣等の違いに配慮した情報提供等の取組)や地域の関係者を幅広く積極的に検査するなど大規模クラスターやクラスター連鎖が発生しないよう早期かつ適切な対応が求められる。
  • 今後、飲食や会食の機会が増えることが見込まれ、「5つの場面」や「感染リスクを下げながら会食を楽しむ工夫」などを国民・社会に幅広く発信し、周知を図ることが必要である。
  • 併せて、社会活動が活発になる中、改めて、「3密」や大声を上げる環境の回避、室内や人と接触する環境でのマスクの着用、フィジカル・ディスタンスの徹底、換気の徹底など、基本的な感染予防対策の徹底が求められる。
  • また、世界的には、とりわけ欧州などで顕著な感染拡大が見られる。海外との往来が徐々に再開しつつある中、検疫での対応や、発症時の受診方法等についての入国する方の特性に応じた情報提供等適切な対応が必要である。
  • 併せて、この感染症についての正確で分かりやすい情報を国民・社会に伝えていくことが必要であり、「新型コロナウイルス感染症の“いま”についての10の知識(案)」も活用して積極的に周知を図ることが必要である。

 感染状況分析・評価グラフ等

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