印刷

推定感染地域が共通の場所と考えられた麻しん報告例について

2016年9月2日
国立感染症研究所
感染症疫学センター
ウイルス第三部

 

 麻しんの広域的発生については、先日、厚生労働省から事務連絡が発出されたとおりです。 (事務連絡平成28年8月24日:http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000134554.pdf

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に基づく発生動向調査の届出には、備考欄等に共通する場所や機会、遺伝子型などで麻しんウイルスに感染した事に関する記載が別添のように報告されています。別添情報を参考に、麻しんが疑われる患者への早期診断、早期対応にご活用ください。

麻しんの初期症状は、発熱と咳、咽頭痛、鼻水、眼球結膜の充血、目やに等のカタル症状です。これらの症状が数日続いたあと、一旦下がるかの様に見えた発熱が一気に高熱となり発疹が出始めます。この頃に口の中を確認すると、白い粘膜疹(コプリック斑)が現れています。

医療機関の皆様へ:

麻しん患者が最初に受診する可能性のある医療機関は内科・小児科・救急外来以外にも、発疹が出現して初めて、皮膚科などを受診する場合もあります。必ず麻しんを鑑別に入れて、麻しん含有ワクチン(麻しんワクチン、麻しん風しん混合(MR)ワクチン、麻しんおたふくかぜ風しん混合(MMR)ワクチン)の接種歴を確認してください。早期診断ならびに感染拡大予防策を講じてくださいますようお願い申し上げます。

参考:

麻疹に関する緊急情報(http://www.niid.go.jp/niid/ja/id/655-disease-based/ma/measles/idsc/6709-20160825.html

その他、発生動向調査の最新情報等は、麻しんのホームページ(http://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ma/measles.html)をご参照ください。

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan