性器クラミジア感染症とは

(IDWR 2004年第8号)  本疾患はわが国で最も多い性感染症(STD)である。感染症法では淋菌感染症、性器ヘルペスウイルス感染症、尖圭コンジ ローマとともに、5類感染症として性感染症定点からの報告が 義務付けられている。本疾患は感染症法施行以前には、結核・感染症サーベイランス事業の性感染症サーベイランス(旧サーベイランス)でも対象疾患に挙げら れていたが、感染症法になってからの届け出状況をみると、女性患者の報告数が急増している。その要因としては、旧サ ーベイランスに比べて感染症法では産婦人科定点が増加したこともあるが、実際に女性感染者 数が増加傾向にあることも推察される。  妊婦検診において正常妊婦の3〜5%にクラミジア保有者がみられることから、自覚症状のな い感染者はかなりあるものと推測されている。

続きを読む

国立感染症研究所 実地疫学研究センター
感染症疫学センター
2023年2月3日現在
(掲載日:2023年6月19日)

性器クラミジア感染症Chlamydia trachomatisを起因微生物とする感染症で、男性では尿道炎、女性では子宮頚管炎を主に起こす。性器クラミジア感染症は感染症法の定点把握対象疾患で、地方自治体が定めた性感染症定点医療機関から感染症発生動向調査に報告されている。性感染症定点医療機関数は2007年以降1000弱でほぼ横ばいである。性感染症定点医療機関の医師が「症状や所見から性器クラミジア感染症を疑い、定められた検査方法により診断した」症例を月毎に集計し、性器クラミジア感染症として報告している。定められた検査方法には、尿道や性器から採取した検体からのC. trachomatis分離・同定、又はC. trachomatisの抗原、あるいは遺伝子の検出、又は患者血清からの抗体検出が含まれる。

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan