国立感染症研究所

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<通知>Escherichia albertiiに係る報告について (依頼)

(IASR Vol. 37 p.252: 2016年12月号)

健感発1109第2号
               平成28年11月9日

  都道府県
各 保健所設置市 衛生主管部(局)長 殿
  特別区

              厚生労働省健康局結核感染症課長
(公印省略)
  

 

 Escherichia albertii(以下,「E. albertii」という)については,従来から病原体検出情報システムにおいて報告いただいているところですが,同菌が原因と考えられる集団感染事例が報告されていることやVero(志賀)毒素遺伝子(stx)を保有する株が認められていることから当該菌による感染症に係る情報の集積およびリスクに係る評価が必要と判断されます。このため,今後は当該報告に加え,下記の点に留意いただき,国立感染症研究所へ情報提供をお願いします。

                                                                         記

 

1.Vero毒素産生能の有無を問わず,貴管内でE.albertiiを患者検体から検出した事例が生じた場合は,国立感染症研究所〔担当:感染症疫学センター第五室,連絡先:042-561-0771(内線3702)〕宛て情報提供するとともに,分離された菌株を送付する。

2.1の情報提供に際しては,患者に係る疫学情報等(性別,年齢,症状,診断方法,感染原因・感染経路・感染地域等)の詳細を提供する。

3.以下のいずれかの条件を満たす菌株については,PCR法によるE. albertiiの探索を実施する。
 (1)eae陽性・非運動性・乳糖非醗酵・硫化水素非産生の菌株
 (2)stx2f陽性の菌株
 (3)Shigella boydii血清型13と同定された菌株
 (4)Hafnia alveiと同定された菌株
 (参考) E. albertiiの詳細は,病原微生物検出情報(IASR)(2016年5月号)を参照ください。
 http://www.niid.go.jp/niid/ja/allarticles/surveillance/2344-iasr/related-articles/related-articles-435/6481-435r09.htmlarticles-435/6481-435r09.html

 

 IASR事務局注
病原体検出情報システムにおけるE. albertiiの取り扱いについては,IASR 2012年5月号国内情報 「Escherichiaの新種E. albertiiについて」(IASR 33: 134-136,2012)の編集部注2に記載していました。

 このたび上記の通知を踏まえて,病原体検出情報システム内のすべての報告様式(病原体個票,集団発生病原体票等)における検出病原体として “Escherichia albertii” を新たに追加し,登録・検索・抽出・集計ができるようになりました〔VT2(=Stx2)陽性の菌も散見されるため,型別結果でVTも入力可能としました〕。

 今後,当該菌を分離・検出した際には,“Escherichia albertii”として登録をお願いいたします。なお,既に “EPEC”,“EHEC/VTEC”,“その他の細菌” 等でE. albertiiを報告済の場合は,お手数ですが “Escherichia albertii” に検出病原体の変更をお願いします。また,従来通り病原体個票・集団発生病原体票の『特記すべき生化学的性状等』欄に,検出された病原因子や同定に用いた塩基配列を入力し報告してください。

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