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ヒトパレコウイルス3型が原因と考えられた感染性胃腸炎集団事例, 2018年―大阪市

(IASR Vol. 39 p203-204: 2018年11月号)

ヒトパレコウイルス(HPeV)は主に小児の感染性胃腸炎や呼吸器疾患患者から検出されるウイルスである。19の型1)が確認されているが, わが国では1型(HPeV-1)と3型(HPeV-3)の検出が多い2)。HPeV-1と比較すると, HPeV-3は感染性胃腸炎患者の占める割合が低いことが観察されているが3,4), 一方で新生児や早期乳児における敗血症様疾患, 髄膜炎, 脳炎などの重症感染症との関連が多数報告されている。わが国においては, 2年あるいは3年ごとの夏季を中心にHPeV-3の流行がみられる。2018年7月, 大阪市の保育施設でHPeV-3によると考えられた感染性胃腸炎集団事例が発生したため, 本稿ではその概要を報告する。

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