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今冬のインフルエンザについて (2020/21シーズン)

国立感染症研究所
厚生労働省結核感染症課
令和3年12月10日

 

はじめに

今冬のインフルエンザについて、主に感染症発生動向調査に基づき、全国の医療機関、保健所、地方衛生研究所、学校等からの情報、国立感染症研究所関係部・センターからの情報をまとめました。本報告は疫学的及びウイルス学的観点から公衆衛生上有用と思われる知見をまとめたものです。比較のために、多くの場合、過去の数シーズンの情報も合わせて掲載しています。なお、2020/21シーズンは、2019/20シーズンと同様に(特に2020年以降)、世界的な流行となった新型コロナウイルス感染症そのものや、その流行に対する個人の行動や公衆衛生上の対応より、インフルエンザの発生動向や関連する指標への影響が生じていた可能性があり、その解釈に注意が必要であることを申し添えます。

本文中に示す各シーズンの表記と期間は以下のとおりです。

  • 今シーズン(2020/21シーズン):2020年36週(2020年8月31日)から2021年17週(2021年5月2日)まで(分析対象によっては期間が多少前後します)
  • 前シーズン(2019/20シーズン):2019年36週(2019年9月2日)から2020年35週(2020年8月30日)まで
  • 前々シーズン(2018/19シーズン):2018年36週(2018年9月3日)から2019年35週(2019年9月1日)まで

年齢群に分けて表示する場合には、原則的には0-4歳、5-9歳、10-14歳、15-19歳、20-29歳、30-39歳、40-49歳、50-59歳、60-69歳、70歳以上とし、小児が流行の主体であるというインフルエンザの特性から小児の年齢群のみを5歳ごと、20歳から69歳については10歳ごととしていますが、一部は、0-14歳(あるいは15歳未満等の表現)、15-59歳、60歳以上という年齢群を併記している箇所もあります。

A型インフルエンザウイルスにおける同じ亜型の表記の方法に若干の違いが見られることがあります。これは、例えばヘマグルチニン(HA)の分類までを調べた情報を主とする場合(AH3亜型などと総称する)、やノイラミニダーゼ(NA)まで含めた詳しい分析を主に含む場合、などの違いによるもので、実際には同じ亜型について述べています。

例) ・A(H3N2)亜型、AH3亜型

   ・A(H1N1)pdm09亜型、AH1pdm09亜型、AH1pdm亜型

 

本記事の本文は下記のPDF版からご覧ください。

今冬のインフルエンザについて (2020/21シーズン)

2021年12月22日  以下の通り修正しました。

p.17、18、30:「2020年7月ごろから同年内にかけて、東京都や神奈川県をはじめ一部の都道府県で超過死亡が認められ、その後も散発的に超過死亡が認められる週が観測されています」を削除

 

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