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インフルエンザ(Influenza)は、インフルエンザウイルスを病原体とする急性の呼吸器感染症で、毎年世界中で流行がみられている。 感染症発生動向調査では、全国約5,000カ所(小児科定点約3,000、内科定点約2,000)のインフルエンザ定点からの報告に基づいてインフルエンザの発生動向を分析している。2011/2012年シーズンのインフルエンザの定点当たり報告数は、2011年第49週に1.11と全国的な流行開始の指標である1.00を超え、2012年第5週に定点当たり報告数は42.62(報告数209,974)と流行のピークとなり、その後は減少傾向が続いていたが、ここへきて増加がみられている。 2012年第29週の国内のインフルエンザの定点当たり報告数は0.28(報告数1,356)となり、2週連続で増加がみられた。都道府県別では沖縄県(21.10)、鹿児島県(0.42)、福井県(0.09)、新潟県(0.08)、福岡県(0.07)、大分県(0.07)の順であり、沖縄県、鹿児島県以外の45都道府県の定点当たり報告数は0.10を下回っている。一方、沖縄県では第26週以降にAH3亜型の検出割合の増加と共に患者報告数も急増してきており(沖縄県感染症情報センターホームページ:http://www.idsc-okinawa.jp/kisyahappyou/H24/20120720flu-4.pdf)、第29週の同県からの患者報告数1,224は、全国の患者報告数のうちの90.3%を占めている。 第29週の患者報告数の年齢群別割合をみると、60歳以上18.1%、30代15.3%、20代12.3%、5~9歳12.2%、0~4歳12.1%の順となっている。60歳以上が最多を占め、また20歳以上の成人の割合が60%を超えているのは例年の季節性インフルエンザの報告数の年齢分布とは大きく異なっている(図)。
近年、沖縄県では冬期のみならず夏期にもインフルエンザの流行が認められるようになってきているが、夏期の同県の定点当たり報告数が20.0を上回ったのは2009年の新型インフルエンザの流行を除けば2006年以来である。患者報告数の年齢分布をみると、学校が夏期休暇に入っても、同県を中心としたインフルエンザの流行は継続する可能性があり、いましばらくは注意深い観察が必要である。 |