国立感染症研究所

. 予防法1, 9, 11)

 

 予防法は感染経路の封じ込めが中心であり、そのために啓発活動を行っている。主要な感染経路であった血液は、輸血用血液のスクリーニングにより輸血による感染は激減している。その他の感染経路からのHBV感染予防のため、HBV感染の可能性が高いハイリスク群に対してはワクチン接種が勧められており、母子感染防止に対しては国の事業としてワクチンと抗HBs人免疫グロブリン投与が行われている。以下に、主要な予防法を示す。

 

1)     B型肝炎ワクチン:3回接種。目的(感染予防、母子感染防止処置)に応じて用法が異なる(詳細後述)。

2)     HBs人免疫グロブリン(HBIG):能動免疫ではなく受動免疫であるためワクチンより予防効果は早く認められるが持続期間は短い。HBs抗原陽性血液の汚染事故後のB型肝炎発症予防、新生児のB型肝炎予防 (原則として、B型肝炎ワクチンとの併用)に適用される。

3)     啓発活動(感染リスク、ワクチン接種、血液の処置、血液の付着する危険性のあるカミソリ等の共有禁止など)

4)     母子感染防止事業・対策:1986年より開始。1995年度からは健康保険の給付対象となる。予防処置の脱落等実態の把握が困難である。

5)     輸血・血液製剤用血液のスクリーニング:1972年より開始。B型肝炎は感染から発症までの潜伏期が30180日(平均6090日)と長いためウインドウ・ピリオドのすり抜け対策が進められてきた12

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan

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