国立感染症研究所

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C型肝炎の最新の話題
 
 2008年1月、薬害C型肝炎集団訴訟の原告団と弁護団は国との和解内容について取り決めた基本合意書に調印しました。これにより、一気に長年の懸案解 決に向けた動きが始まりました。厚生労働省は、従来から行ってきた総合的な対策に、医療費助成を加えて、平成20年度から新たな肝炎総合対策「肝炎治療7 か年計画」を実施しています。

 薬害C型肝炎訴訟は、HCVに汚染された血液製剤を止血剤として投与されたことで、HCVに感染したとして患者が国と製薬会社3社を相手取って総額 100億円を超える損害賠償を求めた訴訟であり、2002年10月に東京・大阪から始まり、全国の5カ所の集団訴訟に広がりました。5つの地裁とも判決は 製薬会社の責任を認め、このうち4つの地裁では国の責任も指摘されました。2007年後半になり、こうした状況下で大阪高裁が患者と国・製薬会社の双方に 和解を勧告したことから、与野党がそれぞれウイルス性肝炎治療の患者支援策を打ち出し、ついに国は患者らに謝罪し、2008年1月の原告団と国の薬害肝炎 和解合意調印に至ったものです。これにより、5地裁・5高裁で国と製薬会社を相手に係争中の訴訟は順次、国との和解手続きに入り、製薬会社も従うことにな りました。

 基本合意書の内容は、まず第一に、国が血液製剤による感染被害者に甚大な被害が生じ、その被害の拡大を防止し得なかったことについての責任を認め、感染 被害者およびその遺族に心から謝罪し、命の尊さを再認識し、薬害ないし医薬品による健康被害の再発防止に最善かつ最大の努力を行うことを誓う、ことを述べ ています。さらに、(1)救済の対象をフィブリノゲン製剤および第九因子製剤を投与されて被害に遭った肝炎患者またはその遺族とすること、(2)被害の認 定は、医療機関の医療記録などの証拠に基づいて行う、(3)症状及び症状進行の立証は、医師の診断書、各種検査結果記録などで行う、(4)当事者双方に争 いがある場合は裁判所が判断する、(5)恒久対策として、製剤投与を受けた者の確認促進、肝炎医療の提供体制の整備、肝炎医療にかかる研究推進、第三者機 関を設置して薬害肝炎事件の検証を行い、薬害ないし医薬品による健康被害の再発防止に最善、最大の努力を行う、(6)継続的な協議の場を持つこと—となっ ています。肝炎対策は上記の基本合意書の精神に従って進められています。  

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan

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