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●家庭医向け;C型肝炎  1989年、カイロン社の研究グループが米国CDCの研究者らとともに同定しました。HCVゲノムは約9600塩基からなるプラス鎖RNAであり、その 中にある約9000塩基の一つの大きなORFから前駆体蛋白質が産生されています。ゲノムの両端の非翻訳領域には二次構造に富む領域があるが、5'末端側 にはIRES(Internal ribosome entry site)が存在し、翻訳反応の開始に重要な役割を持っています。前駆体蛋白質は、宿主細胞由来のシグナルペプチダーゼにより構造蛋白であるコア蛋白質、 外被蛋白質(E1,E2)にプロセスされます。これらの下流にありウイルス粒子に含まれない非構造蛋白質NS2, NS3, NS4A, NS4B, NS5A, NS5BはHCV由来の2種類のプロテアーゼによって切断されます。フラビウイルス科に属し、フラビウイルス属、ペスチウイルス属とは異なる第三の属に帰 属するものと考えられています。 

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan