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多包性肝エキノコックス症の臨床

(IASR Vol. 40 p35-36: 2019年3月号)

病態と診断

1.病 態

患者は北海道に多く, キツネの生息地域(北半球のみで, 北米, ドイツ, フランス, スイス, ロシアなどの寒冷地帯)に多発する。多包性エキノコックス症(多包虫症)は終宿主のキツネ, イヌなどの小腸に寄生する多包条虫の排泄虫卵を中間宿主となるヒトが偶然に経口摂取し, 主に肝臓において, 幼虫の細胞が塊状の硬い腫瘍性の病巣を形成する疾患である。ヒトからヒトへの感染はない。

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan