国立感染症研究所

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ベトナム人HIV感染者の血液から分離されたTalaromyces marneffeiによるマルネッフェイ型ペニシリウム症の一例

(IASR Vol. 38 p.105-106: 2017年5月号)

はじめに

Talaromyces marneffei(旧名:Penicillium marneffei)はタイ, 中国南部, ベトナムなどの東南アジアを中心に分布する温度依存性二形性真菌であり, マルネッフェイ型ペニシリウム症の原因真菌である。わが国ではマルネッフェイ型ペニシリウム症は輸入真菌症として位置付けられている。T. marneffeiはヒトに比較的高い病原性を有するが, 健常者に対する感染力は高くなく, AIDSなどの免疫機能が低下した易感染性宿主に感染し発症することが多い。今回, HIV陽性者の血液培養, 喀痰および便からT. marneffeiを数日で分離し, 推定できた症例を経験したので報告する。

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