国立感染症研究所

鳥インフルエンザA(H5N6)ウイルス発生状況

2016年12月5日現在

PDF版

世界のトリでの発生状況OIE: http://empres-i.fao.org/eipws3g/に基づく)

低病原性鳥インフルエンザAH5N6)ウイルスは1975年以降、広い地域で検出されていたが、高病原性鳥インフルエンザAH5N6)ウイルスの家禽での最初の発生は2014年であり、中国から報告された。20161月から同年122日までの期間に報告されたトリでのアウトブレイクは、4か国から39件である(韓国19件、ベトナム8件、中国7件、日本4件、香港1件)。現在のところ、高病原性鳥インフルエンザAH5N6)ウイルスはヒトに親和性を持つような変異やタミフル耐性になるような変異は見られず、また、哺乳動物に対して病原性が強くなる性質を持つような変異も見られていない。

 

日本のトリでの発生状況(環境省HP: http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/bird_flu/に基づく)

20161031日~125日の期間、7都道府県から高病原性鳥インフルエンザAH5N6)ウイルスが陽性となったトリ等の報告例があった(秋田県5例、岩手県1例、新潟県5例、宮城県1例、兵庫県1例、鳥取県5例、鹿児島県19例)。トリの内訳は、野鳥27例、家禽5例、動物園の飼育鳥5例であった。また、北海道、福島県と茨城県では野鳥が、青森県では家禽(フランス鴨)で鳥インフルエンザ感染が疑われ、125日現在検査中である。各都道府県の対応としては、秋田県の動物園では園内のトリを計132羽殺処分、青森県では家禽18,360羽を殺処分、新潟県では家禽約31万羽を殺処分している。また、鳥インフルエンザ疑い例或いは、確定例が報告された都道府県では、何れも野鳥監視重点区域での監視を強化している。

世界のヒトでの発生状況

鳥インフルエンザAH5N6)ウイルスでヒトへの感染が報告されている症例は下記の表の通りである.20145月に初発例が確認され以後,2016125日現在までに計16例(うち死亡10例)の報告があり、すべて中国からである。年齢中央値は40歳(1165歳),男性7例,女9例だった.16例中12例に鳥との接触を認めている。ヒト-ヒト感染の報告はない.

 

表. 鳥インフルエンザA(H5N6)ウイルスのヒトへの感染例 n=16*、 2014~2016年(12月5日現在)

virdfluH5N6 20161205

*WHO本部およびWHO西太平洋地域事務局の情報に加え,他の政府系公式情報源より得られた情報を含む

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