国立感染症研究所

感染症法に基づく薬剤耐性アシネトバクター感染症の届出状況,2016年

国立感染症研究所 感染症疫学センター
2017年11月13日現在
(掲載日:2018年1月26日)

薬剤耐性アシネトバクター(MDRA)感染症は、2011年2月より五類定点把握疾患に、2014年9月19日より五類全数把握疾患となった。発生届上の定義は、広域β-ラクタム剤、アミノ配糖体、フルオロキノロンの3系統の薬剤に対して耐性を示すアシネトバクター属菌による感染症であり、保菌者は届出対象とはならない(届出基準、届出票についてはhttp://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-140912-4.html参照)。なお、届出票の「症状」については届出時点の臨床診断名であり、アシネトバクター属菌が検出された検体との一致を求めてはいない。全数把握疾患になってからの年別報告数は2014年15例、 2015年37例であった(参照:IASR 感染症法に基づく薬剤耐性アシネトバクター感染症の届出状況, 2014年第38週~2015年第53週https://www.niid.go.jp/niid/ja/id/1729-source/drug-resistance/idsc/iasr-in/6691-438d06.html)。

2017年11月13日現在,2016年第1週(2016年1月4日)~第52週(2017年1月1日)の期間に報告された薬剤耐性アシネトバクター(MDRA)感染症は33例であり,うち届出時の死亡例は3例(9.1%)であった。

性別は男性が22例(66.7%),診断時年齢の中央値は72歳(範囲18~88歳)で,65歳以上が全体の72.7%を占めた(図)。

mdra180126 fig

届出時点の診断名は,肺炎 45.5%,菌血症・敗血症33.3%,尿路感染症 27.3%の順に多かった。

分離検体は,喀痰が45.5%と最も多く,次いで尿21.2%,血液18.2%の順に多く報告されていた(表1)。

mdra180126 tbl1

菌種は,記載のあった25例のうち 24例(96.0%)がAcinetobacter baumanniiであった(表2)。

mdra180126 tbl2

MDRAは14都府県から報告されており,埼玉県・京都府 各7例(21.2%),神奈川県 4例(12.1%)の順に報告が多かった。

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan

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