国立感染症研究所

国立感染症研究所 感染症疫学センター
2020年12月29日現在
(掲載日:2021年4月25日)

薬剤耐性緑膿菌(Multidrug-resistant Pseudomonas aeruginosa: MDRP)感染症は、感染症法が施行された1999年4月以降、5類定点把握疾患*として基幹定点医療機関(病床数300以上の内科又は外科を標榜する病院、2019年年間平均基幹医療機関数は480)により月毎に届出されている。届出対象は感染症を発症した患者であり、保菌者は対象外である(届出基準、届出票についてはhttps://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-42-01.html 参照)。なお、感染症法上のMDRP判定基準値は病院でしばしば用いられる基準と異なることがある(文末参考)。

2019年は38都道府県、基幹定点医療機関の17%にあたる80医療機関からMDRP感染症が報告された。2019年に報告されたMDRP感染症は127例であり、定点当たり報告数は0.26であった(図1)。定点当たり報告数は中央値1、最小値1、最大値10であった。報告数が1例のみであったのは55医療機関(69%)であった。

性別は男性が95例(75%)で女性より多かった。診断時年齢は70歳以上の報告が6割を超えていた(図2)。分離検体は気道検体が最も多く、次いで尿検体が多かった(表1) **。

MDRP感染症の定点当たり報告数は2012年から2017までは減少傾向であったが、2017年以降は横ばいであった。性別は男性が95例(75%)で女性より多かった。診断時年齢は70歳以上が6割以上を占めていた。分離検体は、2018年と同様、気道検体が28%(35/127)と最も多かった。

* MDRP( https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/433-mdr-pa.html )は、1999年4月より施行された「感染症法」では4類感染症として指定され、その後、2003年11月施行の感染症法一部改正により、5類感染症定点把握疾患に変更された。

** 検体採取部位:複数部位から検出された場合は、最も重要と考えられる1か所のみが報告される。

 

図1.  MDRP感染症の年別定点当り報告数、2000年-2019年

 

図2. 定点医療機関から報告されたMDRP感染症症例の年齢分布、2019年

 

表1.定点医療機関から報告されたMDRP感染症症例の菌分離検体内訳、2019年

 

参考 感染症法の届出及びClinical and Laboratory Standards Institute(CLSI)2012における微量液体希釈法による各抗菌薬の耐性(R)の判定基準値

 

 


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