国立感染症研究所

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麻疹、2011年―米国

(IASR Vol. 33 p. 200: 2012年7月号)

 

米国は2000年に麻疹排除を達成した。しかし、輸入関連症例の報告は続いており、麻疹アウトブレイクとそれにともなう国内伝播が危惧されている。2011年には222例の麻疹症例と17事例のアウトブレイクが報告された。2001~2010年には、年間の中央値で症例数が60例(37~140例)、アウトブレイクが4事例(2~10事例)報告された。

222例は31の州から報告され、年齢中央値は14歳(3カ月~84歳)で、27例(14%)が12カ月未満、51例(26%)が1~4歳、42例(21%)が5~19歳、76例(39%)が20歳以上であった。大部分の症例がワクチン未接種(65%)かワクチン歴が不明(21%)であった。222例のうち、 196例が米国在住でそのうち166例(85%)がワクチン未接種かワクチン歴不明であった。166例のうち、141例(85%)はワクチン接種対象者で、18例(11%)は対象年齢以下、6例(4%)は1957年以前の出生、1例(1%)は以前の検査で麻疹に対する免疫があった。141例のワクチン対象例のうち、9例(6%)は月齢6~11カ月で海外渡航歴があり、14例(10%)は月齢12~15カ月でMMR ワクチン1回目接種が推奨されており、66例(47%)は16カ月~19歳であった。この66例のうち50例(76%)は宗教・信条等の理由で予防接種を拒否していた。入院した70例のうち、17例(24%)が下痢、15例(21%)が脱水症状、12例(17%)が肺炎を呈した。脳炎や死亡の報告はなかった。

222例中 200例(90%)が輸入関連症例で、うち72例(36%)が国外で感染した輸入症例、67例(34%)が輸入症例に疫学的関連のある症例、39例(20%)がウイルス学的に国外感染と考えられる症例、22例(11%)がウイルス学的に国外感染と考えられた症例と疫学的関連のある症例であった。その他の22例(11%)は接触者追跡やウイルス分離によって麻疹感染源が決定できなかった。72例の輸入症例のうち、52例(72%)は海外渡航歴のある米国人、20例(28%)は訪米滞在中の非米国人であった。また、そのうち33例(46%)がWHO欧州地域(フランス、英国、イタリア等)で感染していた。

17事例のアウトブレイクでは、各事例の症例数の中央値は6例(3~21例)、期間の中央値は18日(6~69日)であった。

検査確定は94例(47%)がIgMおよび麻疹ウイルス核酸の検出、69例(35%)がIgM検出、37例(19%)が麻疹ウイルス核酸の検出によってされた。遺伝子型はD4、D9、D8、B3、G3、H1が特定された。

米国におけるアウトブレイク事例および輸入関連症例の増加により、麻疹ワクチン未接種者に対する麻疹罹患のリスクが継続していることが示唆され、麻疹ワクチン接種の重要性が強調されている。

 

(CDC, MMWR, 61 , No. 15, 253-257, 2012)

最終更新日 2012年12月26日(水曜)18:16

参照数: 7638

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