国立感染症研究所

国立感染症研究所・感染症情報センターには地方衛生研究所（地研）から「病原体個票」と「集団発生病原体票」が報告されている。これには感染症発生動向調査の定点およびその他の医療機関、保健所等で採取された検体から検出された病原体の情報が含まれる。
　感染性胃腸炎患者からはノロウイルスをはじめ、サポウイルス、ロタウイルス、アストロウイルスなどが検出される。

＊データは現在週および過去の週に遡って追加報告が見込まれる。

　2012/13シーズン（2012年第36週/9月～2013年第35週/8月）当初の第36週（9/3-9）からノロウイルスの検出報告が続いており、2012年第44週（10/29-11/4）以降増加し、第48～50週をピークに減少している（図１）。

　病原体個票では2012年第36週（9/3-9）～2013年第4週（1/21-27）（検体採取週）までにノロウイルスgenogroup(G)IIが39都道府県から1,333件（うち、GII/4 304件、GII/13 12件、GII/6 7件、GII/3 4件、GII/2 3件、GII/7 2件）、ノロウイルスGIが14府県から34件（うち、GI/3、GI/6 各2件、GI/4、GI/13 各1件）、ノロウイルスgenogroup不明が4都県から35件、サポウイルスが16都府県から62件（うち、GI 17件、GII 4件）、A群ロタウイルスが5府県から11件（うち、G1 5件、G2 2件、G3、G9各1件）報告されている（図２）。この他に、アストロウイルスが4県から8件（うち、8型2件）報告されている。

　2012年第52週（12/24-30）～2013年第4週（1/21-27）の５週間では、ノロウイルスが17都府県から165件（神奈川県46件、茨城県32件、滋賀県22件、長崎県21件、大阪府７件、秋田県、長野県、高知県各6件、東京都、愛媛県各5件など）（図３）、サポウイルスが4都県から7件（沖縄県3件、愛媛県2件、千葉県、熊本県各1件）、A群ロタウイルスが2府県から6件（大阪府5件、高知県1件）報告されている。

　集団発生病原体票による報告では2012年第36週（9/3-9）～2013年第4週（1/21-27）（発生週）に、21道府県の飲食店、宴会場、事業所、幼稚園、小学校などにおける食中毒や有症苦情、保育所、小学校、中学校、高校、老人施設、福祉・養護施設、病院、ホテルなどにおける感染性胃腸炎の集団発生263事例からノロウイルスが検出されている。このうち、222事例はノロウイルスGII [うち、80事例はGII/4（速報参照：全国、沖縄）、2事例はGII/2、2事例はGII/6、1事例はGII/4+GII/6、1事例はGII/5]、7事例はノロウイルスGI（うち、2事例はGI/6、1事例はGI/3）、4事例はノロウイルスGI＋GII（うち、1事例はGI/1+GII/4、1事例はGI/4+GII/13）と遺伝子群別（および型別）されている。

（参考）ノロウイルス遺伝子型GII/4 2012変異株の検出都道府県（国立医薬品食品衛生研究所）

ノロウイルス検出状況 2011/12シーズン （2012年11月8日現在報告数）